神奈川県立図書館所蔵CD、今回からしばらくドヴォルザークの弦楽四重奏曲の全集を取り上げます。今回はまず第1集です。
この全集はプラハ弦楽四重奏団の演奏です。名盤の誉れも高い演奏です。
実際、図書館にはこれとドヴォルザーク全集に入っているものと二つありましたが、これを借りた時にはまだドヴォルザーク全集に気が付かなかったときであり、もし気が付いていたとしたら、借りていたかどうかはわかりません。
残念なのは解説書が別冊だったということ。それをコピーして紙で取っておくわけにもいかず、それは借りるのを断念した思い出があります。今でも全集を借りる時には躊躇します。スキャナーを持っていませんので、スキャナーだけ取ってというわけにはいきません(さ、寒い・・・・・自分で言っておいて本当に寒い・・・・・大変失礼をいたしました!)
というのも、ウィキではよくきかれるのは第8番以降であり、それ以前はいろんな作曲家の習作のような感じであるという記述があるからです。
四重奏曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF#.E5.9B.9B.E9.87.8D.E5.A5.8F.E6.9B.B2
確かに、この第1集に収録されている第1番は、まるでベートーヴェンのような感じもします。しかしその楽曲としての完成度というのは大変すばらしいものです。ドヴォルザークとしての個性がないだけ、です。
習作としては出来すぎています。各楽器の歌うような旋律、そしてそのバランス。どれをとっても全く遜色ありません。それはドヴォルザークが呑み込みが早い証拠でもあるように感じるのは私だけなのでしょうか。
1862年の成立ですから、ちょうど彼がプラハのオルガン学校を卒業し、国民劇場オーケストラのヴィオラ奏者になった年です。そんな若造が、まるでベートーヴェンかと見まごうような楽曲を作曲しているのです。習作とはいえ、もっと評価されるべき作品だと私は思います。
プラハ弦楽四重奏団は、それを全く肩肘張らず、ごく自然に演奏しています。だからこそでしょう、その魅力が十分伝わってくるのは。こういった習作というのはある種の仕掛けをしないと素晴らしく聞こえないものですが、そんな策を弄せずとも、美しく聴こえるのはなぜなのでしょうか。私がまだ美しい曲を聴いていないせいなのでしょうか。
もし、あえて下手だと述べるのであれば、第2楽章の冒頭かもしれません。しかしそれこそ、誰かのまねというものではありません。むしろ、自分の個性をそこに入れようと必死であるという印象を受けます。その点でおとるのではないかと私は思います。それであれば個性の点で優劣をつけるべきであって、それ以外のファクターを判断基準に入れるべきではないのではと思います。ウィキの記述では、どれほどひどい作品なのだろう、あるいはつまらない作品なのだろうと勘違いをさせてしまうような気がします。
つまらないなんてことはありません、じっくりと曲と演奏に耳を傾ければおのずとわかります。むしろカップリングの断片のほうがその記述に近いのではと思います。それも実は素晴らしいものではあるんですが・・・・・
この全集も番号順なので、この習作なので・・・・・という点にしばらくは注目して述べていきたいと思います。
聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
弦楽四重奏曲第1番イ長調作品2 B.8
弦楽四重奏曲断章イ短調
プラハ弦楽四重奏団
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