今回のマイ・コレは、モーツァルトの宗教音楽全集の第2集を取り上げます。収録されているのは戴冠ミサとヴェスペレK.339です。
あれ、またですかという方は私のブログをよく読んでおられます。はい、実はこれは戴冠ミサが収録されるときには必ずと言っていいカップリングなんです。それゆえか、最初に買った戴冠ミサのCDであるシュライヤーのも、カップリングがヴェスペレK.339です。
マイ・コレクション:シュライアーの「戴冠ミサ」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/452
この時にはさらにアヴェ・ヴェルム・コルプスもカップリングされていますが、このアーノンクールのものではカップリングされていません。他の曲とカップリングされていますので、もうしばらくお待ちくださいませ。
さて、このアーノンクールの演奏の特徴としましては、戴冠ミサとヴェスペレとでは若干アプローチに違いがみられるという点です。戴冠ミサはシュライアー同様八分音符に重点を置いてはね気味の演奏にしながら、オケはべったりという演奏です。それ自体は正しいアプローチですが、シュライアーのを聴いてしまいますと多少、いやかなり残念な印章も受けてしまいます。
もっと残念に感じてしまうのがヴェスペレでして、そう、べったりなのです。あまり跳ねることもなく、淡々と音楽を鳴らしていきます。しかしそれが間違っているわけではありません。本来、このヴェスペレにもアンティフォナがついているためで、それとの整合性を取るならば、このアーノンクールのアプローチは決して間違っていません。
アンティフォナ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8A
ピリオドとモダンという違いもさることながら、もっと違うのは音符の処理の仕方なのです。こういった点はあまり管弦楽では見られないので、合唱曲は面白いのです。特に宗教曲は・・・・・
アインザッツもよわめですし、こういった点が面白いのです。購入当時はそれが不満でしたが、今では面白みに変わっています。それもいろんな作曲家のいろんな作品を聴いた上で帰ってくるからだと思います。
その意味では、私はようやくこの全集のもつ魅力、そして意味を理解しつつあるのだろうなと思います。
この全集は成立順でもないですし、ケッヘル番号順でもありません。それでも、モーツァルトの宗教音楽を俯瞰するには十分な内容を持つのですが、それを理解するにはそれなりの素養が必要になる全集と言えるのかもしれません。
成立順で編集しなおしてみるのも、面白いかもと今では思っています。性能のいいパソコンがある今だからこそ、逆にこの全集は意味を持つのかもしれません。
聴いているCD
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
ミサ曲長調K.317「戴冠ミサ」
証聖者の盛儀晩課(ヴェスペレ)ハ長調K.339
ジョーン・ロジャーズ(ソプラノ)
エリザベート・フォン・マグヌス(アルト)
ヨゼフ・プロチュカ(テノール)
ラースロー・ポルガール(バス)
アーノルト・シェーンベルク合唱団(合唱指揮:エルヴィン・オルトナー)
ウィーン王立礼拝堂合唱隊(合唱指揮:フーベルト・ドプフ牧師、K.339)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
(Teldec WPCS-6483)
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