かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ハンガリーのオケのブラ2

今回のマイ・コレは、ブラームス交響曲第2番の演奏をとりあげます。指揮はクリスティアン・マンデール、オケは「ジョルジュ・エネスコ」ブカレスト・フィルです。

今回はまずこの聴きなれないオーケストラからご紹介しましょう。

「ジョルジュ・エネスコ」ブカレストフィルハーモニー管弦楽団は、1868年創設の「ルーマニア・フィルハーモニック・ソサエティ」がその最初となる、伝統あるオーケストラです。初代の指揮者は創設者でもあるエドゥアルド・ヴァッハマン、そしてその次の指揮者がジョルジュ・エネスクで、括弧付けになっているのは彼の名前でして、それを頭につけるくらい、エネスクがこのオーケストラを世界的な存在へと導きました。その彼の名まえをつけたうえでブカレスト・フィルと名称変更をしたのが1955年で、それ以来有名な指揮者あるいはソリストと協演しています。その中には、作曲家のシマノフスキラヴェルと言った人や、バックハウス、アラウなどと言ったピアニストもいます。

そういった人たちがかかわってきたオーケストラですが、実は買うときにはかなり悩んだCDなのです。これを買ったのはもう十数年前になりますが、私はその名前が見慣れないものだったので、店頭で恐らく1時間は悩んだでしょうね。しかし、日本語解説付きで880円という、当時としては破格の安さから、購入を決定しました。

当時、特に東欧のオーケストラを使った演奏は押しなべて安値でした。ナクソスなどはその筆頭です。そのナクソスが日本語解説なしで当時1000円だったことを考えますと、このCDの破格の安さがご理解いただけるでしょう。

今であればネットで情報を得ていけば、このオケがチェリビダッケとの名演も出しているということが分かりますので、すぐ飛びついたでしょうが、当時はそこまで情報があるわけではなかったので、ずいぶんと悩んだものだったのです。

ブラームス交響曲第2番はある意味田園交響曲と呼んでもいい内容を持っています。実際、リヒターがそう呼んでいますし、私自身もブラームスにしてはとても明るい出だしがとても好きで、彼の交響曲4曲のうちでもこの第2番と第3番はお気に入りの一つです。

交響曲第2番 (ブラームス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)

交響曲第1番はその完成まで20年という歳月をかけていますが、そこから第4番まではある意味、怒涛のごとくかき上げているという感じで、短い期間で完成させています。ブラームスにとってベートーヴェンという存在がいかに重かったのかという証拠でもあるのですが、その重圧から解放されたとたん、彼は息せき切ったように作曲したともいえます。

この曲を聴きますと、ブラームスさん、あなたそんなに肩肘張らなくたって充分いい曲書いていますよって思うのですが・・・・・

さて、その演奏なのですが、ブカレスト・フィル、只者ではありません。アンサンブルも秀逸ですし、アインザッツも力強い。エンジニアが残響まできちんと入れようとしたためダイナミクスさが物足りないように感じられる部分もありますが、新しいパソコンで聴いてみますと、いやはやこれが素晴らしいアンサンブルなんです。

ただ、アインザッツに力を籠めすぎてしまって、若干雑かなあってかんじも一部ですがあるんですけどね。しかし、それがもしかするとチェリビダッケなどはお気に入りだったかも・・・・・

テンポ感もとてもいいですし、それが全体として端整さにつながっていて、とても私の好みに合っています。こういった演奏には出会えるようでなかなか出会えません。多分、指揮者マンデールのこれが美学なのだと思います。

実は、だからこそこのシリーズでブラームス交響曲を4番まで買ってしまったという・・・・・ここからさらに2回、このシリーズのCDをとりあげます。

日本語解説もついて、いいレヴェルの演奏で、880円・・・・・今思いますと、なんと素晴らしいシリーズだっただろうと思います。ブラームス以外にもこのシリーズでいくつか買っていますが、もっと買い求めておくべきだったと今となっては思います。

確かに、ブリリアントは630円ですが、考えようによっては、日本語解説がないのに630円は高いともいえますから。ネットに解説などが充実していれば、別にそれでもいいですけれど、20世紀の作曲家の中には、日本でもまだよく知られていない作曲家もいますので。

その解説のお手伝いをちょっとだけ、私が出来ればとは思っていますが。果たして、このCDのような水準まで迫れるか。

私に課せられた今後の課題だと思っています。



聴いているCD
ヨハネス・ブラームス作曲
交響曲第2番ニ長調作品73
悲劇的序曲ニ短調作品81
クリスティアン・マンデール指揮
「ジョルジュ・エネスコ」ブカレストフィルハーモニー管弦楽団
(BMG Arte Nova BVCC-6058)


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