かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ベートーヴェン 序曲集

今週のマイ・コレはベートーヴェンが続きます。今日はベートーヴェンの序曲集です。指揮はオイゲン・ヨッフム、オケはバンベルク交響楽団です。

ベートーヴェンといえば交響曲というイメージは強いですね。当時の私もそうでした。とは言いながら、ベートーヴェンのピアノ協奏曲も皇帝だけは聴いていましたし、またテレビでは番組でピアノ協奏曲のほかの作品なども触れています。そこで、いっそ管弦楽曲が欲しいなと思ったわけなのです。

ベートーヴェン管弦楽曲となりますと、代表的なものはやはり序曲、ということになるでしょう。そこで買ったのが、このCDです。

序曲といいますと、オペラのものをどうしても考えてしまいがちですが、ベートーヴェンのオペラはフィデリオ一作だけ。後は劇付随音楽ということになります。

ただ、意外にもベートーヴェンの序曲はいろんなところで耳にすることが多いことも事実です。もともと、劇つき音楽ですからサウンド・トラックような役割を果たすものです。ですから、宇宙戦艦ヤマト復活編で使われたりもします(確かに、指摘されたように使っていたのは事実だと思います。思い出しました。ただ、それがブラックホールでの移民船団大ワープの場面だったかどうかは、まだ確認していません)。

当時、エグモントとコリオランは知っていました。特に、コリオランはカラヤンベルリン・フィルとLP時代に英雄と一緒に収録しています。それが当時我が家にもありましたから、知っていました。それ以外は、アテネの廃墟は全く知らず、プロメテウスの創造物は音楽が英雄の第4楽章に使われていることしか知りませんし、序曲は全くです。フィデリオとレオノーレも名前だけです。

ただ、このCDを買ってよかった点は、レオノーレの変遷を知ることができるということです。実際に今でも使われているフィデリオ序曲、そしてレオノーレの第1番と第3番が収録されているということが注目です。そんなこと初めから知っていて買ったのかって?いやいや、恥ずかしながら当時全く知りませんでした。ただ、帯にはそれに言及していて、それに興味を引かれたのは事実です。

それよりも、バンベルク交響楽団の演奏のすばらしさを語らねばなりますまい!統率されたアンサンブル、それでいて熱いパッション、その上上品さもあります。

とはいうものの、当時は全くそういう点はわかりませんでした。もっといろんな演奏を聴くようになってからそれは気づきました。ヨッフム晩年の演奏であるにも関わらず、情熱は熱くたぎっています。それは充分感じられました。ただ、当時は多少それが物足りなくも感じたのですが、今ではそれは理性がきいていて、アンサンブルがすばらしい証拠であるということに気づいています。

つまり、全体のバランスがいいんですね。それにはっきりと気づくまでには多少時間がかかりました。

ただ、当時このCDから教わったことがあります。それは、ドイツのオーケストラはベルリン・フィルだけではない、ということです。勿論、東側であるシュターツカペレ・ベルリンも知っていましたが、西側ではベルリン・フィル位しか知らなかった私に、ドイツにはもっと他のオケがあり、それも大変すばらしいのだよと教えてくれたのです。

いや、もうあなたはマーラーのときに聴いているじゃないか、と仰る方もいらっしゃるかもしれません。それはうれしいことなのですが、当時の私はマーラーが難解だったということもあり、やはりベートーヴェンでそれを知ったのです。翻って、確かマーラーでも聴いていたなと後から気がついて、ベルリン・フィルだけではないと気づいたのです。そのいわゆる「気づき」を与えてくれた一枚です。



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
序曲集
・「エグモント」序曲作品84
アテネの廃墟作品113
・「プロメテウスの創造物」作品43
・序曲「コリオラン」作品62
・歌劇「フィデリオ」序曲作品72b
・「レオノーレ」序曲第1番作品138
・「レオノーレ」序曲第3番作品72a
オイゲン・ヨッフム指揮
バンベルク交響楽団
(BMG BVCC-5029)