今月のお買いもの、平成30年5月に購入したものをご紹介しています。シリーズで取り上げています、クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によるベートーヴェンの交響曲全集、その第2集です。
第2集では、第2番と第7番が収録されています。これも初期の作品と中期の作品とのコントラスト。マズアの解釈、アプローチがとてもおもしろいです。
先ずは第2番。第1番同様の、端正なテンポ感を重視したタクトになっています。そして第7番は、リズムの権化と言われる作品を、なんと!カンタービレさせているんです!
これ、マズアがベートーヴェンをどのような作曲家だと見ているかという、投影のように思います。もちろん、このあと第3番や第4番なども聴いてみないと断定はできませんが、ここまで聴いている限りにおいては、中期からベートーヴェンの作品はロマン派に入る、というものです。
これは特段変わった解釈ではなく、むしろ正統派だと言えるでしょう。ベートーヴェンは古典派だと割り切って9番まで振ってしまうほうがよほど変わっているでしょう。それはそれで一つの解釈で、間違っているってわけではないので。
ただ、ベートーヴェンという人は時代を先取りしていた人なので、作品が中期からはロマン派的になっているのは確かです。ともすれば中途半端な作品になりかねいところを、ベートーヴェンは古典派絶対音楽を守りつつロマンティックに仕上げるという、前期ロマン派の扉を開く先駆けとなっているのが天才的なところなのですね。
天才といえば、古典派ならモーツァルトと言われますが、ベートーヴェンも充分天才です。モーツァルトのような記憶力だとか瞬時の構成力とかの方面ではないだけなんです。新しいものの想像力という点で天才的才能を発揮したのがベートーヴェンだと言えます。
その天才ぶりを、演奏でどのように表現するのか・・・・・これは指揮者とオケの腕の見せどころになるわけですが、それがまた絶妙なんですね。確かにテンポ感とかでは第7番ではこれどうかなあって点も散見されるんですが、説得力に満ちているので、ほう、なるほど〜と唸ってしまうのがニクイ!
こういう演奏は、また何年かした後に、じんわりいいなあって思えるものなんです。これいやだから売っちゃう!というのはまだ早いなあって思います。もし売るにしても輸入盤でブックレットも無いですから、少なくともflacでリッピングしてとっておくくらいのことはしておきたい、魅力的な演奏です。
聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第2番ニ長調作品36
交響曲第7番イ長調作品92
クルト・マズア指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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