かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:すぎやまこういち 弦楽のための「舞曲」

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。今回はすぎやまこういちの「弦楽のための『舞曲』」�T及び�Uを集録したアルバムを御紹介します。

すぎやまこういち?他の人の間違いなんじゃないの?って思う方も大勢いらっしゃるかと思います。それは決して間違いではないのでご安心を。すぎやまこういち氏と言えば、最近では何と言ってもRPGの「ドラゴンクエスト」のBGMで有名ですし、それ以前でも、歌謡曲の世界では大ヒットメーカーでした。

すぎやまこういち
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%84%E3%81%BE%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%84%E3%81%A1

ウィキを見ても、今回取り上げる作品は業績の中に出てきませんし、すぎやま氏の公式ホームページでも、CDは紹介されていますが、それを自分の業績とは語っていません。

まさか他者に作曲させたのか?と疑ってしまうくらい、どこにも出てこないんです。ただ、アルバムには解説があるためか、当然ですが紹介されています。それに基づいたブログのエントリがありましたので、上げておきます。

Music Compass 音楽の羅針盤
弦楽のための「舞曲」 ("BUKYOKU" for Strings)
http://music-compass.sakura.ne.jp/jclassic/sugiyama_bukyoku.html

基本的には、このエントリの意見に賛成です。聴けばすぎやま氏の今までのゲーム音楽における、つまりドラクエにおける実績がさらに進化された、素晴らしい芸術だと思います。にも拘わらず、本人は2曲8楽章を1曲5楽章にしてしまったんですね・・・・・残念です。

トーンクラスターを多用し、そこに一つのストーリーすら構築し、その上で雅楽的な要素を取り入れた上で、シリアスな部分も入れてある、「舞曲」と言うよりはむしろ、ファンタジーと言ってもいい作品です。オケがロンドン・フィルなので、作品がとてもよくできた構造であることが一目瞭然で、二つで一つのほうが私もいいと思うんですが、どうもドラクエの世界から抜け切れないのか、改悪してしまったなあというのが本音です。

そもそも、すぎやま氏と私とでは、寄って立つ政治的スタンスが真反対と言ってもいいくらいで、ですから私はすぎやま氏のスタンスは受け入れませんが、かといってこの芸術作品は素晴らしいと思います。ドラクエより私は素晴らしい作品だと思っていますし、なぜ保守系がこの作品をドラクエより下に見るようなことをするのかが、理解できません。

朝日新聞を非難している暇があれば、もっとこういった作品を作曲し、世に出してほしいというのが、私の本音です。すぎやま氏の才能からすれば、作品数が少なすぎるように思うのです。

これは一つの仮説ですが、すぎやま氏は、そもそもはこういったクラシックの作品を作曲したかったのではないかと思います。それが、世の流れに乗って歌謡曲ゲーム音楽の作曲に時間を取られたことで、本来自分のやりたいことができなかったのではないかと思っています。そうでないと、朝日新聞への執拗な非難など、説明がつきません。朝日新聞ほど、芸術を大切にしているメディアはありません。芸術のパトロンと言ってもいいくらいです。

自分の意見を持つことは大事ですが、それが行き過ぎると問題だと思います。すぎやま氏の朝日新聞非難が、行き過ぎにならなければいいのですが・・・・・そのためにも、こういった優れた管弦楽作品を世に送り出すことは、大切なことだと思います。

日本のオケだからこそいい点もありますが、ロンドン・フィルだからこそ、特にトーン・クラスターの部分だったり、ソリストの部分だったりは和声が明快で、すぎやま氏がこれまでの歴史において培ってきたものすべてが入っていることが明快です。また優れた構成も自然と浮かび上がっており、作品自体に魂が宿っていることが明快なので、聴いていて飽きないんです。さすがロンドン・フィルだと思います。こういった優れた日本人の作品が海外のオケで演奏されることは、素晴らしいことだと思います。

これをきっかけに、海外のオケで、どんどん日本人の作品が演奏される時代になればいいと思いますが、そのためにも、すぎやま氏には朝日新聞批判などと言う現を抜かすようなことをせず、しっかりと芸術に向き合って欲しいと思います。私も上記ブログ主の方同様、すぎやま氏の作品を、RPGのではなく、純粋な管弦楽作品が聴きたいと思っている一人なので。




聴いている音源
すぎやまこういち作曲
弦楽のための「舞曲」�T
弦楽のための「舞曲」�U
デイヴィッド・ノラン(ヴァイオリン)
シュテファン・ブライアント(ヴァイオリンB、�U)
ジョセフ・マーラー(ヴァイオリンC、�U)
シュテファン・ブルーム(ヴィオラ
フランシス・バックナール(チェロ)
タマス・ヴァサリー指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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