かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ぺライアが弾くハンマークラヴィーアと月光

今月のお買いもの、平成30年2月に購入したものをご紹介します。今回はe-onkyoハイレゾ配信サイトで購入した、ぺライアが弾くベートーヴェンのハンマークラヴィーアと月光です。

レーベルはドイツ・グラモフォンで、本格的なハイレゾ音源ということになります。嬉しいのは、解説などがPDFでついてきている、ということなんです!

以前から、わたしはCDはUSBなどのメディアに置き換わるだろう、ブックレットはデータ化されるだろうと述べてきましたが、ヨーロッパではすでにそのようになっていることを実感させるものです。ハイレゾで配信して一緒にブックレットをつける・・・・・これが真にCDが置き換わるということです。

このぺライアのハイレゾは、近い将来日本も同じようになることを示唆するものだと思います。現在の日本のハイレゾは、悪く言えばぼったくりなんです。ブックレットの表紙だけはついてきますけれど、解説などはついておらず、CDよりも割高になっています。CDを買わせようと言うレコード会社の思惑が見え隠れします。そりゃあ、棚さえあればCDを買ってしまうよねって思います。邪魔になればディスクユニオンブックオフで売ればいい、と。

欧州にも中古CD店はあると思いますが、それでも、ハイレゾはCDに置き換わるものして認識されていることが、今回購入してみてわかりました。これからは出来るだけ欧州レーベルの現地盤を買おうかなって思います。

さて、ベートーヴェンの表記二つのピアノ・ソナタはもう解説することもないくらいの作品ですが、粋な選択だなって思います。ハンマークラヴィーアはベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも難しい作品の一つに数えられますし、月光はロマンティックな作品で、ある意味対照的な作品だからです。もっと言えば、ピアニストの力量が試される作品だとも言えます。

その二つを、ぺライアは実に自然体で、すっと弾いてしまっています。その上で、小さいアコーギクがしっかりと感情の起伏になっており、ぺライアが楽譜から感じ取ったものを自らの感情としてしっかりと表現していると言う事なんです。それがとてもいいんですよね。

その上で、ハイレゾなので、音の解像度が抜群!だからこそ、小さなアコーギクまでしっかり聞き取れるので、ぺライアが実にきめ細かく演奏しているのかが分かります。ゆえに共感する部分もたくさんあります。時としてテンポ感でどうなのかなって思うこともあるぺライアですが、このベートーヴェンの二つのピアノ・ソナタでは抜群で、テンポの切り替えも実に素晴らしく、自らの表現の一つの手法として使っており、私はつい、そうそう、そうだよねってポン!と膝をうつんです。

こういう演奏を聴きますと、今までのCD評を疑ってかかりたくなります。勿論すべて間違っていると言うことがあるわけありませんが、評論という名の下実は提灯記事ってこともまったくないわけではありません。音楽評論家も人の子です。それで飯を食っている以上、提灯記事を書かなくてはならないことだってありますから。CDでは解像度が落ちるわけなんです。特にデッキでは。今日、CDはリッピングできるようになり、このようにハイレゾ配信も始まった時代に置いては、音の解像度がまるっきり違うのは本当にいいことです。

実際、私のPCは実はハイレゾをそのスペック通りには再生してくれません。ダウンサイジングして再生します。それでも、CDと同じ周波数でしか再生できないとしても、半導体レーザーでデータを読み取りつつ、補正をかけながら聴くののではなくデータをそのまま再生している分、確実に音はいいわけなんです。だからこそ、棚の問題もあって思い切ってハイレゾにしたわけですから。恐らく、PCが新しくなればまたさらにいい音で鳴ってくれるでしょうし、最近のPCであれば、ハイレゾを念頭に置いた設計をしていますから、そのままスペック通りに聴ける可能性がありますし、ついているスピーカーがDAC内臓という場合もあります。ダウンサイジングなしで聴ける可能性が拡がっています。

ぺライアはそのような再生環境の変化の中で、自分の思い通りの演奏を実に伸びやかに自然体で行っています。だからこそ、どこか強迫的なものがなく、それでいてベートーヴェンの魂が自然と伝わってくるような感じで、本来二つの作品の形容としては必ずしも適切ではないかもしれませんが、温かさを感じるんです。その意味では、従来のベートーヴェン像をいい意味でぶち壊してくれる、人間味あふれる演奏だと言えるでしょう。




聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調作品106「ハンマークラヴィーア」
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」
マレイ・ぺライア(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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