かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ホフナング音楽祭2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。今回はホフナング音楽祭の2枚目です。

恐らくですが、当日のコンサートの前半と後半で分けているんだと思います。それぞれが1時間ほどあるので、恐らくそうなのだと思います。とはいえ、当時は2時間以上のコンサートだったと言うことになる訳で、どんだけ濃いんだって思いますけれどw

さて、その2枚目ですが、まず主催者側のアナウンスで始まります。なんと、ダブルブッキング!さて、どうなることやら・・・・・

ということで始まるのが、第1曲目「ヴァイオリンと管弦楽のための「恋の協奏曲」」。作曲はウィルフレッド・ジョゼフス。イギリスでは結構有名な作曲家らしく、英語ウィキでしか確認できない作曲家です。

Wilfred Josephs
https://en.wikipedia.org/wiki/Wilfred_Josephs

その才能は豊かだったらしく、実はこの2枚目にはジョゼフスの作品がさらに2つ、合計3つ収録されています。それが2曲目の「序曲「バグパイプはわめく」と最後の「ピアノと管弦楽のための不協奏曲」です。

まずは第1曲からですけれど、ダブルブッキングしてしまったので、思い切って2人の演奏を同時に楽しんでもらおうということになり・・・・・となると、二人の演奏予定の作品は一緒だとは限らないわけで、案の定別の作品であるわけです。で、ホフナング音楽祭ですから、それを一緒に演奏してしまおう、と言う事なんです。となれば、抱腹絶倒はもう確定のようなもんです。ただ、作品としては本当に優れており、現代音楽の作曲家ゆえの優れた技法に満ちています。だからこそ笑えるってわけです。

第2曲の、序曲「バグパイプはわめく」は序曲とは言えストーリー仕立て。スコットランドのお城がアメリカ人により買収されて、アメリカへと持って枯れてしまうんですが、そこにあったバグパイプが残されてしまうんですね。で、住処を追いかけアメリカへ行くんですが、そこで恋の波乱が・・・・・で、めでたしめでたしなんですが、音楽としてはなんとロッシーニの「どろぼうかささぎ」のパロディ。ロッシーニの原曲もかなーり笑える作品なのですが、それがパロディになるとさらにパワーアップ!

泥棒かささぎ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A5%E6%A3%92%E3%81%8B%E3%81%95%E3%81%95%E3%81%8E

原曲は笑えると言っても、その中にかなり真面目な題材が入っており、深刻になると目を付けられることからかなり笑いの要素が取り入れられているのです(その意味では、日本のお笑いでいえばウーマン・ラッシュアワーの村本のような作品)が、それを踏まえている人たちは、もう笑わずにはいられないんですね。

3曲目は、ハイドンの有名な「びっくり」交響曲。基本的にはあまり原曲をいじってないんですが、びっくりの効果を増幅させる作品へと変わっており、その点においては原曲を改変しています。その改変ぶりがまぢで笑えます。

4曲目が、ジョゼフ・ホロヴィッツ作曲「ベッドタイムのテーマによる変容」。これなんなの?って思われるかもしれません。なんで聴衆はこんなので笑っているんだろう?って。というのは、この作品、それほどおふざけはしていないんです。ではなぜなと言えば、実はイギリスで有名な乳製品のCMを、いろんな作曲家が作曲したならば、どうなるだろうというシミュレーションなんです。つまりは立派なこれもパロディ。途中からその笑いはヒートアップ!知ってしまえば、日本人でも笑いをこらえられなくなります。

5曲目は、フランク・バターワース作曲「オーケストラ・メドレー」。このフランク・バターワースに関しては何にもわかりませんでしたが、どうやら、二人の作曲家の名前をつなげているのではないかと私は推理しています。というのは、作品自体はそれほど笑えるものではなくて、まあ、「連結クラシック」あたりが好きな人なら楽しめるかなという作品。なので演奏途中に笑い声が全く収録されていません。それよりも、恐らく演奏前にプログラムを見て、にやりという作品なんだと思います。あー、つなげてるんだね〜、じゃあ、どうつながってんの?と言う点が焦点になるのであって、その繋がり具合はかなーりにやりとする作品です。

最後6曲目が再度ジョゼフスの「ピアノと管弦楽のための不協奏曲」。1枚目の「人気協奏曲」と同じ構造を持つ作品なので、もう笑い確定ですが、置く聞けば本当にうまくできてます。これぞプロの仕事です。日本のお笑いもこのような作品を彷彿とさせるように変ってほしいものです。

演奏は1枚目同様フィルハーモニア管。「ベッドタイムのテーマによる変容」は自作自演で、作曲者が指揮してます。プロがおふざけな作品をしっかりと演奏すれば、もう抱腹絶倒なのだということを証明した名演だと思います。その意味では、確実に日本のお笑い界に一石を投じる演奏だと思います。ひな壇芸人の皆さん、これだけのプロ意識を持って仕事してます?と。つまりは、私達は抱腹絶倒ですが、実はそのうちには日本の忖度するお笑い界に対しては、きつーい批判を持っている演奏だと言えるでしょう。現状のお笑いに満足していない方、是非とも!ここには本物の「芸」があります。




聴いている音源
コンサート・マスター
ウィルフレッド・ジョゼフス作曲
ヴァイオリンと管弦楽のための「恋の協奏曲」
序曲「バグパイプはわめく」(台本:トム・バーグマン)
ヨゼフ・ハイドン作曲(びっくり効果追加:ドナルド・スワン)
「びっくり」交響曲
ジョゼフ・ホロヴィッツ作曲
ベッドタイムのテーマによる変容(台本:アリアステアー・サンプソン)
フランク・バターワース作曲
オーケストラ・メドレー
ウィルフレッド・ジョゼフス
ピアノと管弦楽のための不協奏曲
ロビン・アシュビー(興行主)
ロドニー・スチュアート(マネージャー)
ヤグディシュ・ミストリー(ヴァイオリン)
(そして予定外の)キャンディダ・トンプソン
ライマンド・ヘリンクス(語り手)
ラクアン・A.スチュアート(バグパイプ
バンベール・ガスコアーニュ(ボトル奏者)
エミリー・ホフナング(ボトル奏者)
ジョン・リル(ボトル奏者)
デズモンド・ウィルコックス(ボトル奏者)
フリート小学校の子供達(ボトル奏者)
ドクター・スティーヴン・ポール(ボトル奏者)
オリファン・チャッカ―バティ・アンサンブル(ボトル奏者)
フェリシティー・ロット(歌手)
デイヴィッド・ウィルソン・ジョンソン(歌手)
デイヴィッド・オーウェン・ノリス(ピアノ)
マイケル・マッセイ指揮
トム・バーグマン指揮
ジョゼフ・ホロヴィッツ指揮
フィルハーモニア管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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