かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:アマデウス弦楽四重奏団のブラームス弦楽六重奏曲

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はアマデウス弦楽四重奏団ブラームス六重奏曲集を取り上げます。

ブラームス弦楽六重奏曲(ゼクテット)は、以前スメタナ四重奏団にコチアン四重奏団のメンバーを加えた録音を御紹介しています。

マイ・コレクション:淡い思い出を歌う「ブラームスの『弦六』」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/550

其れがあり、かつその時点ですでに良い録音を持っていると述べているのに、なぜこれを借りてきたのかと言うことになります。簡単に言えば、此の時期、私は自分の人生を振り返っていました。

体調不良で人生の危機を迎え、仕事も展望が見いだせないようになっていました。その時、「棚卸」というのを始めたのです。そこで、私は自分の人生の中で、実はたくさんの女性に愛されていたことに気が付いたんです。

一度は、私も上記録音のように、「もう恋なんか」と思っていたんです。ところが、今の自分をふりかえって、それでいいのか、と。

しかも、当時応援してくれる人に結構女性が沢山いたのです。その気持ちを考えた時、もう一度自分の恋愛に対する姿勢をふりかえってみよう、自分に正直になってみようと考えたのです。

そこで、図書館で目についたのが、このアマデウス弦楽四重奏団の録音でした。弦楽六重奏曲を弦楽四重奏に編曲したものではなく、アマデウス弦楽四重奏団に二人さらについて、総勢6名で演奏したのがこれです。

この録音を借りる時に、重視したのが、その録音年代でした。1966年と68年。であれば、第1番第2楽章は、恐らくむせび泣くように演奏しているに違いないと直感したのです。

その通り、この録音は、若きブラームスの、秘めた想いを存分に弦を大きく使って、甘い旋律にして、まさに第2楽章はむせび泣いています。そうだ、私は失恋でこのようにむせび泣くことすらしてこなかったんだ、いや、したとしてもそれを恥じだと思って来たんだ・・・・・その時気づきました。

勿論、今ではスメタナ・コチアンのも大好きです。失恋を一旦遠目に見て、冷静に自分をふりかえる・・・・・年代的にそんな解釈もアリだと思います。ただ、やはりこの作品は若きブラームスの内心の発露なんです。哀しい・・・・・それを前面に出すのが、本来であって、相対化するのは演奏家が年齢を経た時に、この作品から何を感じるかという、独自の、しかも味わい深い解釈なんだと、それもアリなんだと、理解できるようになったのです。

つまり、自分の本来は、やはり恋愛したいんですよ。女性と付き合いたいし、あわよくば肉体関係にもなりたい。魂がそれを望んでいる。それにようやく気付いたんですね。でもスメタナ・コチアンを受け入れることができたのは、もう恋愛なんか、ではなくて、むしろ恋愛したいけれど、もうそれは無理かもしれないっていう、諦観だったんだなと。

この若々しく、瑞々しく、一方でゆえにとても情熱的で、悪く言えばねっとりしていて、一見すれば終わった恋に恋々としている、囚われた自分を表現していると表現もできる作品ですが、実はそれだけの魂を抱えた作品なので、実はブラームスが失恋を手放そうとした作品なのだとということを、上記エントリで述べたかと思いますが、まさにこの作品は、わたし自身にとって、さまざまな恋愛に対する囚われを手放すために必要な作品であり、私の魂は、「哀しい!」と叫ぶような、むせび泣くものを基本に据えてほしいって言っている、と考えています。それが私自身だから。

決してデジタル録音ではないですが、ドイツ・グラモフォンが元音源であるだけに、音質もいいものです。決して悪くないんですね。でも、これで逆にスメタナ・コチアンは不用意に捨てられないなって思います。いかに最初に買ったCDが、個性的な録音なのかを、このアマデウスの演奏で如実に感じることになったのですから。

つまり、アマデウス弦楽四重奏団の演奏、解釈はスタンダードかつオーソドックスなんです。実は、スメタナ・コチアンはそれに果敢に挑戦した、素晴らしい演奏なんだと気づけたことは、私にとって失恋をどう手放すか、そして多くの女性の愛に気づけなかった自分が、これからどう生きていけばいいのかということを、真剣に考える材料になったのです。

当時ある団体で被災地支援をしていたのですが、その時に女性と一緒に行くんです。その女性たちの事を、この録音を聴きながら思いをはせてもいました。兎に角、自分との対話をずっとしていた時期です。

今では、この録音をmp3プレーヤーには入れていますが、スメタナ・コチアンと聴き比べにしても面白いなって思います。それはまた再び、自分の恋愛に対する姿勢を自問自答する機会になります。

そう考えれば、本当に世の中は無駄なものがないんだなって思います。





聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
弦楽六重奏曲第1番変ロ長調作品18
弦楽六重奏曲第2番ト長調作品66
セシル・アロノヴィツ(ヴィオラ
ウィリアム・プリース(チェロ)
アマデウス弦楽四重奏団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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