かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:リスト ピアノ作品全集24

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、リストのピアノ作品全集を取り上げていますが、今回は第24集を取り上げます。

あれ、22集と23集はどうしたのですかって?いやあ、わかりました?

ないんですよ、はい。

え、ないんですよってって?

読んで字の如くです。ないんです。神奈川県立図書館には、ないんですよ、残念ながら。

恐らく、どちらかにはベト7と8番が来ているはずで、それはそれで楽しみだったのですが・・・・・

で、しょうがないので、第24集を借りてきた、という訳だったのです。ないものはしょうがないわけですから、それはナクソスの新譜または中古を買うしかないわけなので。

この第24集は、再びリストの作品に戻って、メフィスト・ワルツが4つ全部収録されています。メフィスト・ワルツはすでに管弦楽版はご紹介しています。

神奈川県立図書館所蔵CD:リスト 交響詩全集5
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1315

ついでに、メフィスト・ワルツの解説も上げておきましょう。

メフィスト・ワルツ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%84

リスト : 村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番)
<リンク:Liszt, Franz : Der Tanz in der Dorfschenke(Erster Mephisto-Walzer) S.514 R.181 http://www.piano.or.jp/enc/pieces/1545/>Liszt, Franz : Der Tanz in der Dorfschenke(Erster Mephisto-Walzer) S.514 R.181
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/1545/

レーナウの「ファウスト」による2つのエピソード
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%88%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B2%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89

この有名作品が、ピティナよりウィキのほうが詳しいという点に、この作品の現在扱われ方が反映されているように思われます。私も幾つかリサイタルへ行っていますが、ピアノでメフィスト・ワルツを聴くことはめったにありません。一方で、プロ、アマ問わずオケのコンサートでは聴くことがあります。

しかし、本来はピアノ作品だと言われています。それをリスト自身が管弦楽作品へと編曲し、第1番に関してはさらに別の作品へと転用したと言うことになるでしょう。まさに、バロックのような話です。

第1番は演奏機会も多いのですが、第2番〜第4番まではあまりないのは、この作品が和声が多彩で、難しい作品であることが理由でしょう。作曲もリスト晩年で、単に力技ではなく、技術に裏打ちされた表現力が必要な作品で、単に超絶技巧という一言で済ますには簡単すぎる表現であろうと思います。

それはまさに、ロマン派的作品だと言えます。高い技巧を使って多彩な表現を実現していく・・・・・それがロマン派です。古典派のように単なる様式美だけではなく、さらに人間の内面をえぐるように表現して行こうという運動が、音楽におけるロマン派です。リストのメフィスト・ワルツはまさにその点でロマン派的であると言える、素晴らしい作品です。

その他に、この音源では、悲歌第1番と第2番、そして演奏会用大独奏曲が収録されています。悲歌は1870年代の作曲、演奏会用大独奏曲は1850年と、ちょうど演奏家から作曲家へと転向する時期に書かれた作品と、差がありますが、ともに単なる技巧のひけらかしではなく、超絶技巧がなぜ使われているかを認識しないと表現できない作品だと言えるでしょう。

大演奏会用独奏曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A%E7%94%A8%E7%8B%AC%E5%A5%8F%E6%9B%B2

演奏しているアンダローロは、聴きますと涼しげに演奏していますが、そこには高い技量をいかに表現に活かすかがしっかりと反映されているのが分かります。タッチが軽く聴こえますが、だからと言って軽く弾いているわけはなく、自分の実力をしっかりと表現に活かしきっているのが分かるからこそ軽く聴こえるわけです。力強い演奏ももちろんあり、その多彩な表現が、作品が持つ多彩な顔がしっかりと現出されているのが素晴らしいです。

オケと異なり、タッチ一つで全く世界が変るのがピアノという楽器です。その妙味が味わえる、素晴らしい作品と演奏であろうとおもいます。某鑑賞会のようにオケ版とピアノ原典版を聴き比べてみても、面白いだろうと思います。さて、国内レーベルにそれを出すだけの心意気、ありやなしや!




聴いている音源
フランツ・リスト作曲
メフィスト・ワルツ第1番(村の居酒屋での踊り)(S514/R181)
メフィスト・ワルツ第2番(S515/R182)
メフィスト・ワルツ第3番(S216/R38)
メフィスト・ワルツ第4番(S696/R661)
悲歌第1番(S196/R76)
悲歌第2番(S197/R77)
演奏会用大独奏曲(S176/R18)
ジュゼッペ・アンダローロ(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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