かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:シュポア クラリネット協奏曲第1番・第3番/ポプリ

今月のお買いもの、平成27年4月に買い求めましたものをご紹介します。今回は新宿ディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、シュポアクラリネット協奏曲全集の、第1番と第3番、そしてポプリのアルバムをご紹介します。レーベルはナクソスです。

やっと、その月に買いましたものをその月にご紹介することが出来ます〜。ここまで、ほーんと、長かったです・・・・・

いや、買うペースを落とせばいいんですけどね!それでも、実は銀座山野では買わないなど、工夫はしているんですよ!ほーんと。

え、銀座山野で買うことを辞めたのかって?そんなことはありません。ただ、最近山野で買いたいと思うものが少ないのはたしかで、しばらく買わないでもいいかなと思っていたのです。今月あたりから再開しますよ。お楽しみに!

で、シュポアですが、今回実にクラリネット協奏曲が、何と全集の形で中古市場に出ていたので、思わず買ってしまったというわけです。と言っても、それが全集だとは思わずに、直感で買ったんですけどね。それでも、シュポアだから手が伸びたのは事実です。

以前から、シュポアに関しては聴きたいと思っていましたし、その機会を狙っていました。ロマン派の作曲家の、主要な作品を聴いたこの暁、やっとシュポアへと手が回るようになった、というのが真相です。

シュポアという人は、実に多大な功績をしているのですが、我が国ではあまりコンサートピースにも乗りませんし、メディアでも取り上げられることが少ない作曲家です。その割には、古典派や前期ロマン派の作曲家のCDを買い求めますと、どこかで必ずシュポアの名前が出てきます。それだけ、我が国と世界との認知のギャップが生まれている作曲家だと言えましょう。

ルイ・シュポーア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%A2

フランス風の名前になっていますが、実はドイツ人です。ルートヴィヒ・シューポアとするほうがよいかもしれませんが、本人が好んで使っていたので、これで通っているようです。ただ、実はベートーヴェンも出版するときには「ルイ・ファン・ベートホーフェン」としていることが多いので、私が紹介するときは、本名でやりたいと思います。

さて、そのシュポアクラリネット協奏曲。ナクソスの帯には、ヴァイオリンの様にクラリネットが動き回るとありますが、さもありなん、そもそもシュポアはヴァイオリンの名手で、ヴィルトォーソだったのですから、納得なんですね。ある意味、クラリネット演奏をさらに高めた役割を担ったともいえそうです。

古典派のクラリネット協奏曲と言えば、あまり多くはなく、良く知られているのはモーツァルトの1曲だけのですが、その後、クルーセルウェーバーなど、古典派から前期ロマン派の時代に入ると一気に増えていきます。シュポアの作品も、そのような時期に作曲されています。

第1番ハ短調作品26は1808年に作曲された作品で、ベートーヴェンが活躍していた時代です。しかしシュポアは前期ロマン派のカテゴリーに属する作曲家です。恐らく、モーツァルトの作品やクルーセルなどの影響を受けていると想像できます。こじんまりとしつつもソナタ形式を備え、しかしクラリネットのヴィルトォーソを十分に聴かせる、優美な作品となっています。

続く第3番ヘ短調WoO.19は1810年に作曲された作品で、優美であるだけでなく情緒が漂い、しかも幽玄で上品な作品です。作品番号が付いていてもおかしくない作品だと思います。クラリネットはこの作品ではそれほど動き回らないですが、それでもモーツァルト風に歌わせるところは実に素晴らしい作品です。

最後のポプリは当時人気のオペラのメロディーをつなぎ合わせて再編した作品で、どこでつなぎ合わせているのかなんて、その元作品を知らなければわからないくらい一つの作品としてまとまっている作品です。二つの楽章になっている点も、にくいですねえ。まるでもう一つのクラリネット協奏曲です。

演奏しているのはクラリネット協奏曲第1番と第3番がスロヴァキア国立コシツェ・フィル、ポプリがスロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団と、ナクソスではおなじみのオケで、後者はこのブログでも何度かご紹介しているオケです。ともに実に端正で堅実な演奏を聴かせてくれます。何も特別なことをしなくても、実に作品の素晴らしさが滲み出てきます。音楽を聴くことはこれほど楽しく、喜びに満ちているのかと、気づかせてくれます。

ソリストのドイツ人オッテンザマーも、技術的に優れているだけではなく、その技術を巧みに表現力に活かしており、シュポアという作曲家が、もっとこの国で知られてもいいとまるで迫っているようです。なーんにも言っていないんですけどね!

でも、私には「日本の皆さん、もっとシュポアを聴きましょうよ!素晴らしい作曲家ですよ!」と言われているような気がしてなりません。次回もシュポアクラリネット協奏曲を取り上げますが、今後機会あるたびにシュポアの作品を採り上げられるといいなと思います。恐らく、山野あたりでの購入になりそうですねえ。




聴いているCD
ルートヴィヒ・シュポア作曲
クラリネット協奏曲第1番ハ短調作品26
クラリネット協奏曲第3番ヘ短調WoO.19
クラリネットオーケストラのためのポプリ ヘ長調作品80
エルンスト・オッテンザマー(クラリネット
ヨハネス・ヴィルトナー指揮
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団(第1番・第3番)
スロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団(ポプリ)
(Naxos 8.550688)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村