かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ニールセン 協奏曲全集

今月のお買いもの、今回はニールセンの協奏曲全集を取り上げます。ナクソスで、ディスクユニオン新宿クラシック館での購入です。

ニールセンなんて、しりやせーん!なんて、おやぢギャグを飛ばしてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、以前このブログでも取り上げている、デンマークの作曲家です。

カール・ニールセン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3

今月のお買いもの・ニールセン 交響曲全集1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/924

今月のお買いもの:ニールセン交響曲全集2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/925

今月のお買いもの:ニールセン 交響曲全集3
http://yaplog.jp/yk6974/archive/934

以前、交響曲全集の3枚組を取り上げている作曲家です。時代カテゴリからすれば、後期ロマン派〜20世紀音楽と言ったところです。

実は、協奏曲のすべては、20世紀に作曲されており、音楽は決して後期ロマン派とは言いがたいものです。もっと旋律線には不協和音が多用され、ロマンティックというよりはむしろ、複雑な音楽がそこには存在します。

作曲順は、ヴァイオリン、フルート、そしてクラリネットの順番ですが、収録はヴァイオリン、クラリネット、フルートになっています。各曲の説明はウィキに任せてしまいましょう。作曲順に挙げておきます。

ヴァイオリン協奏曲 (ニールセン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

フルート協奏曲 (ニールセン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

クラリネット協奏曲 (ニールセン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

ちょうど、第1次世界大戦前後に書かれているわけですが、そういった時代を背景に、グラズノフのようなはっきりとした音楽は書けなかったようです。実際、活躍した時代は重なっているんですが・・・・・

むしろ、音楽としてはシベリウスに近いような印象も受けます。シベリウスグラズノフの中間から、ややシベリウスよりって感じでしょうか・・・・・

それにしても、この3つの楽器を取り上げるというのは、とても興味深いです。いずれも、古典派において多く作曲された楽器の協奏曲だからです。勿論、ヴァイオリンはロマン派になっても数多く作曲されていますが・・・・・

しかし、管楽協奏曲はコペンハーゲン管楽五重奏団のメンバーのために作曲されたという、ウィキの記述からすれば、必ずしも古典派を意識したわけではないでしょうが、古典派でよく作曲されたということは念頭にあったでしょう。そもそも、室内楽団という単位は、古典派で多かった編成であるわけで、単に晩年だったから室内楽的なものしか作曲しなかったというのは、どうなのかなあという気もしています。

晩年であったというのは重要な要素だとは思うんです。しかしそれだけで室内楽的な作品を作曲するのかと言えば、そうではないように思うんです。それは、ベートーヴェン交響曲で実験した結果を弦楽四重奏曲で実用にしたような、自由な表現の場として、室内楽的な作品を選んだような気がします。

実は、ヴァイオリン協奏曲にしても、後期ロマン派にありがちな、オケとソリストが対等に渡り合うのではなく、会話する傾向に近いのです。技巧に走る方向でもないですし、それは時代的にはとても不思議な音楽であり、それが各々の作品の個性を引き立てています。

このCDでも、オケとソリストのバランスがとてもいいですし、それが聴き手に気持ち良ささえ与えます。不協和音が鳴っているのに、です。それはそれで不思議な瞬間です。然し私は、だからこそ、ニールセンが曲に込めた想いが伝わってくるような気もしています。

音楽を伝えるというのはとても難しいことだと思うんですが、淡々とした演奏が、時として雄弁になる・・・・・ナクソスのCDにはそういった演奏が多いのですが、これもそんな演奏でして、ニールセンの音楽とその時代を、雄弁に語っているように思います。第1次大戦後の不安な時代を、室内楽的な音楽で実に的確に切り取り、私達に提示しているように思うのです。

それこそ、私達のニールセンの解釈ですよと、このCDは語っているようです。それはそれで、しっかりと受け止めておきたいと思います。少なくとも私は、その解釈には「同意」です。



聴いているCD
カール・ニールセン作曲
ヴァイオリン協奏曲作品33
クラリネット協奏曲作品57
フルート協奏曲
ジョナサン・カーニー(ヴァイオリン)
ケヴィン・バンクス(クラリネット
ガレス・デイヴィス(フルート)
キース・バークルス指揮
ボーンマス交響楽団
(Naxos 8.554189)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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