かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ツィンマーマンが弾くシマノフスキとブリテンのヴァイ・コン

神奈川輪県立図書館所蔵CD、今回はツィンマーマンが弾くシマノフスキブリテンのヴァイオリン協奏曲を取り上げます。

以前からこのブログに足しげく通っていただいている方には、「あれ、以前も同じコーナーで取り上げていますね。どうしてまた同じものを?」と思うかもしれません。

神奈川県立図書館所蔵CD:シマノフスキ ヴァイオリン協奏曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/959

実はこの音源、借りてきました時には第2番のリッピングに失敗しているんです・・・・・

その後、パソコンを買い替えまして、もう一度トライしてみましたら、うまくいったのですね。そのパソコンを買い替える前に、それならば他の音源できちんと全体が聴きたいと思い借りましたのが今回ご紹介する音源なのです。

ただ、私は上記エントリでシマノフスキが好きになっていたことから、二つ音源を持つのは決して悪いことではないし、ま、いっかとこれもそのままにしたのです。

結果的には、シマノフスキの魅力を再確認することが出来て、よかったと思う音源です。

まず、そのシマノフスキから参りますが、以前ご紹介しているのでシマノフスキの説明は省きましょう。ウィキのURLを掲げるだけにしておきます。

カロル・シマノフスキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%8E%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD

シマノフスキスクリャービンの影響も受けている作曲家ですから、その音楽には官能性も存在するわけですが、この演奏はその官能性を前面に出しています。その上で理性を失っていないこの作品を実に冷静に演奏しています。

冷静に官能性を前面に出して表現するというのは、実に難しいことだと思います。官能性はエロスですから、人間の五欲のうちの「性欲」と関連します。その分感情的になりがちになるはずなのですが、「情熱と冷静の間」のバランスが抜群なのです。

人間の感情を一歩引いたところで見つつ、でも決して感情を出すことを忘れておらず、その感情の発露がとても人間らしいのは、所謂「心技体」が完璧でないと難しいでしょう。

其れゆえだと思いますが、次のブリテンのヴァイオリン協奏曲は、初めて聴いた曲であったにも関わらず、一度目で気に入った曲の一つです。

ヴァイオリン協奏曲 (ブリテン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%B3)

書き写したブックレットよりもこのウィキのほうが詳しく説明してくれていると思います。1939年ですから、第2次大戦直前という時期です。新古典主義音楽が衰退をはじめるか否かという時代にあって、旋律線を重視した保守的な音楽を書いたブリテンですが、実際このヴァイオリン協奏曲では不協和音だって普通に多用しています。反戦、特に(ブックレットによれば)スペイン内乱に対する想いがあったとされています。そうであれば、納得の作品だと思います。

となると、演奏するのは厄介だと思います。シマノフスキよりも旋律線がはっきりしているだけに感情が勝ってしまいがちなのですが、それがなく徹頭徹尾冷静なのに、聴き手には熱いものが湧き上ってくるのを抑えることが出来ないという演奏なのです。

これは単に冷静というだけではなく、自らの感情の発露のために演奏技術をどう使うかという点も含めて、冷静さを欠いていないということなのです。これはかなり高いレヴェルの演奏であると思います。実際ツィンマーマンはだからこそでしょうが、ヨーロッパの芸術財団(民間団体)の支援を受けていますが、こういったことが日本でも広く行われるといいなと思います。

こういった演奏に出会えるのはとても幸せですね。最初に借りた演奏も素晴らしかったのですが、この演奏も素晴らしいと思えたことは、通常最初の演奏に引っ張られることが多い私たち聴衆にとって、とても大事な点だと思います。

これをきっかけに、実は重複をそれほど恐れなくなりました。その結果、自分自身の視野のさらなる広がりが展開されてくるのです。あまり多くを持ちすぎることはよくないこともありますが、こういった演奏をいくつか持つことも、決して無駄ではないだろうと思います。

聴き手にも、様々な精進が必要であるということをまざまざと教えられた音源でもありますし、そのことによって演奏者の良しあしの判断は磨かれるのだなと、気づかされたのでした。ただそれゆえに、特に19世紀末から20世紀にかけての音楽は難解だと思われるのだろうと思います。そこをどう説明するのか・・・・・それは私も含め、すべてのブロガーに課せられた使命とも言えるように思われてなりません。



聴いている音源
カロル・シマノフスキ作曲
ヴァイオリン協奏曲第1番作品35
ヴァイオリン協奏曲第2番作品61
ベンジャミン・ブリテン作曲
ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品15
フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)
アントニ・ヴィト指揮
ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団シマノフスキ
マンフレート・ホーネック指揮
スウェーデン放送交響楽団ブリテン



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