かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:小澤/サイトウ・キネンの「田園」

今回のマイ・コレは、小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラの「田園」です。

このブログでは初めて取り上げますが、まったく同じCDを実は某SNSでもう数年くらい前に取り上げています。このブログはそのSNSにも掲載されるようにしてありますから、そちらの読者の方には重複するかもしれませんが、ご容赦のほど願います。

このCDを買いましたのは14年ほど前だと思います。このあたりからCDの棚をいろいろいじくっているため、購入年がずれているものもあるかと思いますが、1998年購入だったと思います。まず、田園の演奏で満足いくものがデジタル録音でなかったこと(今では、1977年のベーム/ウィーンフィルの来日時で決まりなんですが)と、その年が御柱だったということがあります。

御柱祭
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A1%E6%9F%B1%E7%A5%AD

公式ホームページ
http://www.onbashira.jp/

御柱は6年に一度おこなわれる諏訪大社のお祭りですが、3回前の御柱が1998年、つまり、このCDが収録された年で、もっと言えば、このCDはまだ諏訪で小宮の御柱の最中に収録されたものなのです。そんな年に、ベートーヴェン・ツィクルスの途中だったとはいえ、収録曲がタイムリーにベートーヴェンの田園だったのです!

諏訪の人間の血が流れている私にとって、買わずにはいられない一枚でした。

http://www.shinmai.co.jp/onbasira/1998/gyouji.htm

サイトウ・キネンはフェスティバルで取り上げる曲を収録して、フェス後に販売するというのが通常であることから、この年のフェスでも田園を演奏しているということでもあるわけです。とてもタイムリーすぎて、田園は御柱の年に合わせたのではないかという気さえします。

ベートーヴェンの田園は、そもそもベートーヴェン聴覚障害者となって幾度も足を運んでいたハイリゲンシュタットの森から霊感をえたものと言われますが、御柱もその発生は不明ですが縄文時代の巨木信仰との関係が指摘されていることから、単に諏訪大社の祭神だけでなく、自然界に存在する八百万の神々へ祈りをささげる目的があるのではないかと言われています。

交響曲第6番 (ベートーヴェン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC6%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)

諏訪大社 | 信濃國一之宮 諏訪大社(公式サイト)
http://suwataisha.or.jp/

しかし、多くの方がそれはこじつけでしょ?サイトウ・キネン・フェスティバル松本は松本が会場では?と思うことでしょう。しかし過去には、岡谷のカノラホールも会場となっていたことはあまり知られていません。岡谷は諏訪大社の下社の地域です。

ウィキのほうが分かりやすいかもしれませんね。

諏訪大社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%8F%E8%A8%AA%E5%A4%A7%E7%A4%BE

そういった経緯があり、決してサイトウ・キネン・オーケストラ諏訪大社の地域とは無関係ではありません。近年は松本だけになってしまいましたが、小澤氏が元気だったころには、松本を中心として諏訪地方もその会場に含まれていたのです。実際、その一つだったカノラホールで収録したCDが、以前ご紹介したモーツァルトアイネ・クライネ・ナハトムジークが収録されたものなのです。

マイ・コレクション:小澤/サイトウ・キネン チャイコフスキー・弦楽セレナーデ他
http://yaplog.jp/yk6974/archive/410

カップリングがレオノーレ第3番というのも、御柱諏訪大社を想像させます。ウィキから採るのが一番分かりやすいでしょうか。

祭神
上社
建御名方命(たけみなかたのみこと)
八坂刀売命(やさかとめのみこと)
下社 上社の2柱の他に
御兄八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)

この内、建御名方命(たけみなかたのみこと)は戦いの神でもあります。

建御名方神
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E5%BE%A1%E5%90%8D%E6%96%B9%E5%91%BD

諏訪大社の伝承に見る建御名方神

諏訪大明神絵詞』などに残された伝承では、建御名方神は諏訪地方の外から来訪した神であり、土着の洩矢神を降して諏訪の祭神になったとされている。このとき洩矢神は鉄輪を、建御名方神は藤蔓を持って闘ったとされ、これは製鉄技術の対決をあらわしているのではないか、という説がある」

つまり、大和朝廷に対して抗った神でもあります。それは、ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」を彷彿とさせます。

フィデリオ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%AA

レオノーレ第3番は、試行錯誤の中で作曲されたフィデリオの序曲の一つです。

ブックレットには選曲に関して何も記述がありませんが、今こうやって振り返ってみると、御柱を調べ尽くしていないとできない選曲のような気がするのは、わたしだけなのでしょうか。

演奏も、田園では徹底的に自然への賛美を淡々と歌い上げ、レオノーレではいきなりオケがダイナミックな演奏をし始めます。どちらがメインなのかわからないくらいです。そうしたところに、私はSKOによる諏訪人の心の代弁を聴くのです。直接諏訪人と触れることも有った、団員と小澤の気持ちとして・・・・・



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
「レオノーレ」序曲第3番 作品72a
小澤征爾指揮
サイトウ・キネン・オーケストラ
(Philips PHCP-11161)



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