かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:グルダのベートーヴェンピアノソナタ全集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から再びベートーヴェンピアノソナタの全集を9回にわたって取り上げます。まず今回は第1回として第1番から第3番までです。演奏者は、フリードリヒ・グルダ

フリードリヒ・グルダ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%80

恐らく、一度目のものだと思います。この全集は、グルダの「ベートーヴェン愛」がよく聴きとれる演奏だと思います。

ある場所で、グルダベートーヴェンを順番には弾いてないから、全集を聴いてみてほしいと言われ、ちょうど他の演奏も聴きたくなっていたので借りてきましたのがこれです。で、聴きましたら、番号順でした。

最も愛するベートーヴェンを俯瞰しようという意図が、この全集からは見て取れます。ただ、番号順なので、作曲順ではないことは付記しておきます(それは第2回目で触れましょう!)。

さて、ベートーヴェンのピアノ・ソナタはいろんなピアニストが収録し、私もこのブログでかつて山根弥生子さんのものでエントリを立てていますが、その時以来のベートーヴェンピアノソナタ全集です。

グルダと言いますと、クロスオーヴァーで演奏する曲を選んだりしたことから、クラシックファンの間では評価がまちまちですが、この音源では、とても柔らかくしなやかな演奏となっています。

まるで抜けるような青空と言いますか、決して力任せで弾いていませんし、第1番などはとても軽めで、簡単に弾いています。しかし、決して手を抜いているわけではなく、音が一つ一つはっきりと聴こえてきます。テンポも幾分速めという感じですが決して急いではおらず、そのせいかとても一音一音がはっきりと聴こえます。

この演奏は山根弥生子さんよりは断然いいですね〜。いや、山根弥生子さんのも好きですし、それは今でも携帯に入れています。しかし、このグルダのほうがそれでもいいのですよ〜。

決して携帯に入っているものを入れ替えるというほどではないですが(そこまでの差はない)、しかし明らかに軽さという点で、素晴らしい演奏です。

それはグルダの表現力でもあると思います。リフレインでは弱くするという基本もしっかりやりながら、その演奏は軽めでそれ故に表情が豊かです。ppで弱くし、ffで強くのメリハリもきちんとついていますし、それ故安心して聴いていられます。

特に、この演奏では運指がきちんとしているのが演奏からはっきりと伝わってきます。それが一音一音はっきりと聴こえることに繋がっているように思います。そして、私はそれこそ、グルダの「ベートーヴェン愛」だと思っています。

つまり、グルダはいきなり、「私はベートーヴェンが大好きで、尊敬しています」と宣言しているのです。第1番は作品番号1ですし確かにエポックメイキングな曲ですが、若い時代の作品ですからいい加減に弾くという解釈だってあり得ます。しかし、グルダはそれをあくまでも端正な演奏にすることで表現し、正確な運指で持っていわば「音をたたせる」ことで尊敬の念を表わしているわけなのです。

第2番の流れるような演奏にしてもそうです。それでいて一音一音がはっきりと聴こえるその演奏に込めたグルダの想いが、流麗で清潔で抜けるような青空のような演奏でもってひしひしとこちらの伝わってきます。

そう、必死になって演奏しなくても、奏者の想いが切々と伝わってくるのです!こんな演奏にはなかなかお目にかかれません。

第2集では、いったいどんな演奏が待っているでしょうか!こうご期待です。



聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第1番へ短調作品2-1
ピアノ・ソナタ第2番イ長調作品2-2
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3
フリードリッヒ・グルダ(ピアノ)



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