かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:R.シュトラウス ホルン協奏曲

今月のお買いもの、3枚目はリヒャルト・シュトラウスのホルンのための曲集です。バリー・タックウェルのホルン、アシュケナージの指揮とピアノ、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団他の演奏です。

管楽器の協奏曲は、本当に珍しいのですが、特に大作曲家が作曲しているとなると、これもまた珍しいと思い購入しました。

リヒャルト・シュトラウスと言えば、なんといっても交響詩とオペラで有名な人です。前半生が交響詩、後半生がオペラと、ある意味大きく分けて二つの時期と作品に区分されます。

リヒャルト・シュトラウス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9

このウィキの作品を見て、あれ、そうだったのかと思う方もいらっしゃるかもしれません。数の上では、実は有名な「アルプス交響曲」などの交響曲と同じ数だけ、協奏曲を作曲しているからです(小品まで含めると多いくらいです)。

私も、イメージ的には実はオペラや交響詩に、交響曲をいくつかというイメージしか持っていませんでした。しかし、彼はしっかりと協奏曲を書いているのです。しかも、ジャンルとしてはホルンという楽器を選んでいるのが面白い点です。

ホルンもそうですが、金管楽器バロックから前期古典派の時代までは協奏曲が数多く作曲され、モーツァルトも書いています。しかし、ベートーヴェン以降はあまり見られなくなるのが音楽史上の流れです。しかし、R.シュトラウスはそれにも関わらずホルンの曲を書いたということになります。

その理由として、彼の父がホルン奏者だったことと、金管楽器の技術革新、つまりバルヴが付いたということが挙げられましょう。

ホルン協奏曲 (リヒャルト・シュトラウス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9)#.E7.AC.AC1.E7.95.AA

まず、第1番は旋律的にとても保守的ですが、楽章が3つつながっていることが、決して古典回帰ではないことを表わしています。1882年から83年にかけて作曲された曲で、R.シュトラウスは18歳の青年でした。19世紀後半という時代と18という彼の年齢というものが生み出した作品であろうと思います。

第2番は、第1番からずいぶん経った、20世紀中頃、1943年に作曲された曲です。ナチスに協力せざるを得なかった時代を反映してか、まったく古典的な作品となっています。3楽章各々が独立し楽章は急〜緩〜急で第3楽章はロンドと、まさしく古典的な構成となっています。しかし、旋律は後期ロマン派の香りがプンプンするものです。ナチスに対する彼なりの抵抗かなと私は考えています。

途中にホルンとピアノ、ソプラノのための曲が4曲挟んでありますが、こういった組み合わせもアリなんだと目を見開かされます。考えてみれば、古典派以前ではピアノの性能が悪くてホルンとのソナタなど考えられないわけですが、後期ロマン派では十分可能であるわけです。

シュトラウスと言えば前衛というイメージが付きまといますが、果たしてそれは正しいのかと思います。確かに、彼は前衛を扉を開いた作曲家ですが、かといって古典にもとても関心があったことは、実は戦後も管楽器の協奏曲を2曲書いていることからもうかがえます。

私としては、R.シュトラウスの目指した音楽というのは、調性音楽による究極のロマンティシズムであり、決して調性音楽を破壊することではなかったと思っています。だからと言って決して前衛を否定するわけでもなく、あくまでも自分の範疇において最高の音楽を創ろうとした作曲家だと思います。それが、4つの小品には満ち溢れています。

こういったCDは、あまり国内盤では出ないので、本当にありがたいなと思います。ちなみに、横浜関内プレミア・ムジークにて、1150円でした。



聴いているCD
リヒャルト・シュトラウス作曲
ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11
ホルンとピアノのためのアンダンテ
カプリッチョ」最終幕のための前奏曲
「アルプホルン」第3番作品15
ホルンとピアノのための前奏曲、主題と変奏
ホルン協奏曲第2番変ホ長調
バリー・タックウェル(ホルン)
マリー・マクローリン(ソプラノ)
ウラディーミル・アシュケナージ指揮・ピアノ
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(DECCA eroquence 476 2699)



このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。