かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヴァントが振る第九

神奈川県立図書館所蔵CD、今回はギュンター・ヴァントが振るベートーヴェンの第九です。

これはそんなに古い録音ではありませんが、もちろん借りたのにはそれなりの理由があります。それは、下記エントリであげたCDを買った時にできれば第九もほしいと以前から思っていたからです。

マイ・コレクション:ベートーヴェン 交響曲第2番・第4番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/353

もちろん、今日のエントリでご紹介する音源は上記エントリで紹介したものと同じシリーズです。

当時からこの演奏は高い評価を受けていました。確かに今聞いてみましても端正ですし、奇をてらった部分もありません。ただそれゆえに、私の中でも聴くたびに評価が分かれる演奏でもあります。端整であるがゆえに、第九が持つ精神性という部分がきちんと表現されているのかどうか、自分自身でも判断に迷う部分があるからです。

決していい加減ではないので、素晴らしい演奏なのですが、爆発力と言ったものに若干ですがかける部分もあります。けれども、第1楽章や第4楽章のティンパニ連打や、合唱の力強さは素晴らしく、私のお気に入りの一つではあります。

じつは、若干評価が下がっているのは合唱なのです。子音をはじき出しているのがよく聞き取れない部分がその原因です。それがもう少しはっきりと聴こえるようであれば、満点なのですが・・・・・・

私が常に気にする、第4楽章のvor Gott!の部分も、さっと切っているように思えて実はきちんとvorの二分音符を一拍としてGott!の全音符を六拍伸ばしています。これもヴァントらしいなあと思います。

ギュンター・ヴァント
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%88

テンポを気にする彼らしい解釈と指揮ぶりだと思います。それにしても素晴らしいアンサンブル!変体演奏が好きな方ですとちょっと物足りないかもしれないですが(例えば、昨日のストコフスキーがお好きな方でしたら、かなり物足りないでしょう)、丹念に積み上げていく演奏が好きな方にはたまらない演奏だと思います。

アインザッツも強めですし、その点できちんと精神性も追及しているなあと思うのですが、いかんせん合唱団の発音が・・・・・

それだけが残念ではあります。こういった部分は最終的には指揮者の責任ではありますが、合唱指揮者の責任でもあります。発音はかなり基礎的なものなのですが意外とオーケストラ指揮者はこだわらないのです。だからこそ合唱指揮者がきちんとさせないといけないのですが・・・・・

オケの指揮者を批判する論文は数々ありますが、こういった合唱指揮に目を向けるものがないことが、もしかするとこういった演奏を許してしまう一つの原因かなあと思ったりもします。まあ、全体的を壊しているわけではないのでヴァントが気にしていないことは全く構わないのですが・・・・・

でも、合唱をしてきた私としては、その点はどうしても気になる点なのです。「子音は必ずはじき出しなさい」と習ってきた私としては・・・・・

もしかすると、合唱団が二つというのが原因かもしれませんね。



聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」
エディス・ヴィーンス(ソプラノ)
ヒルデガルト・ハルトヴィッヒ(アルト)
カイト・レヴィス(テノール
ローラント・ヘルマン(バス)
ハンブルク国立歌劇場合唱団(合唱指揮:ユルゲン・シュルツ)
北ドイツ放送合唱団(合唱指揮:ヘルムート・フランツ)
ギュンター・ヴァント指揮
北ドイツ放送交響楽団



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