かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ドヴォルザーク弦楽四重奏曲全集3

神奈川県立図書館所蔵CD、今回はドヴォルザーク弦楽四重奏曲全集の第3集です。収録曲は第3番だけです。

ドヴォルザーク弦楽四重奏曲は、ここまでは比較的演奏時間が長いものが主流となっていることに気付かされます。ドヴォルザークの力の入れようが目に浮かびますね。

そして、この曲からはそれほどベートーヴェンテイストがなくなって聴こえるのは、私だけなのでしょうか。ベートーヴェンだけというよりも、それを基礎として古典派的に作曲してみたという印象です。

そもそも、プラハ弦楽四重奏団アルバン・ベルク四重奏団のような、アインザッツの強い演奏をしていることもベートーヴェン的に聴こえてきた理由でもあると思いますが、それにしてもここからはそれからひとつ抜け出ようという意思が聴こえます。

かといって、ドヴォルザーク的なものがあるのかと言えば、それは違うと思います。まだそこまで突き抜けてはいません。だからと言って、不満なのかと言えば、私は全くです。この曲も1870年ごろ作曲されたと言いますが、ロマン派の時代において、古典派から前期ロマン派といった時代へと私たちを連れて行ってくれるかのようなこの曲はとても気品を持っています。それが楽壇のアインザッツの強い、強い意志を持った演奏が引き立てています。

チェコ国民楽派としてとらえがちですが、しかし彼の音楽には様式美もしっかりとありますし、それゆえに聴き手に迫る迫力と感動も音楽はもともと持っていると私は思います。それを認識させられたのが、中大オケの演奏でした。

コンサート雑感:中央大学音楽研究会管弦楽部第65回定期演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/652

そういった点は、この弦楽四重奏曲にもあります。それも、この第3番ですでに、です。その点を考慮しますと、ドヴォルザークの音楽から受け取る印象は、またちがったものがあります。

どうしても私たちは祖国愛という観点からだけで国民楽派の音楽を聴きがちです。それは決して間違ってはいませんが、それだけではないはずです。そもそも、国民楽派とは様式美の中にその国らしさをいれようとする一派です。それを極端に破壊しての音楽は、国民楽派というよりはもう現代音楽というべきでしょう。その中の民族主義の作曲家という仕分けになってくると思います。

こういった初期の作品を聴くというのは、その作曲家を理解するうえで非常に大切なプロセスだと、私は最近思います。そのためにも、全集というのがあると思いますし、図書館にそれがあるのはありがたいことですし、役割を果たしているなと思います。



聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
弦楽四重奏曲第3番ニ長調B.18
プラハ弦楽四重奏団



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