かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ジョスカン・デ・プレのミサ曲

皆様、お風邪をめしてはいませんか?

実は私は最近風邪ひいてしまいまして、その分エントリを上げる時間も不定期になっています。皆様もぜひ健康に留意してくださいませ。

さて、今回のマイ・コレは、ジョスカン・デ・プレのミサ曲です。ピーター・フィリップス指揮、タリス・スコラーズです。

まず、クラシック初心者はもちろん、コアなファンの方でもジョスカンを知らない人が圧倒的だと思いますので、ご紹介しましょう。以下のサイトが一番(実は、このCDのブックレットよりも)詳しい説明がなされていると思います。

ジョスカン・デ・プレ
Josquin des Prez
(1455?-1521)
http://2style.net/misa/kogaku/early010.html

なお、生まれに関しては諸説あり、以下のサイトのような説明もあります。

ジョスカン・デ・プレ
Josquin des Prés [Desprez] 1440頃〜1521
http://www.tcat.ne.jp/~eden/Music/dic/josquin%20des%20pres.html

となると、一番信用置けるのは、現段階ではウィキになるのでしょうか。

ジョスカン・デ・プレ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC

彼の音楽は端的に「アルス・ペルフェクタ」(完全なる技法)と呼ばれます。定旋律を循環させる循環形式の美しさはほかの追随を許しません。

こういった音楽を聴くことは、じつは後期ロマン派のサン=サーンスやリストと言った作曲家の音楽を理解するにも役に立ちますので、軽く見ることが出来ません。かくいう私もそれに気が付かされたのは、実はサン=サーンスの「オルガン付」を聴いてからなのですが・・・・・

さて、このCDにはジョスカンのミサ曲が二つ収められています。パンジェ・リンガとラソファレミです。ブックレットによりますと、彼のミサ曲はいくつかに分類され、その中には偽作もあるそうなのですが、この二つに関しては真作であり、「ソルミゼーション、カノンによるもの」に分類されるそうです。

ちょっと難しい言葉ですが、ソルミゼーションについては以下を参照してください。

ソルミゼーション
http://kotobank.jp/word/%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

ルネサンス期のソルミゼーション
http://www.geocities.jp/gammautalamire/Solmization.html

出来れば、実際の楽譜に当たるのが一番分かり易いとは思うのですが今回は割愛させてください。そこまで述べてしまいますとそれだけでエントリを一つ立てることが出来ます^^;簡単に言いますと、ドレミファソラシに言葉を当てはめて、それをある音節の中で展開してドレミファソラシ〜♪と歌っていく技法だと理解していただければ十分です。

まず1曲目には、ミサ「パンジェ・リンガ」の前奏としてグレゴリオ聖歌の「パンジェ・リンガ」が収められています。このグレゴリオ聖歌の用途は現在二つあり、一つは聖金曜日の聖体奉還式の際に、仮祭壇に向かう行列のときに歌われるのと、もう一つはイムヌス(讃歌。プロテスタントでいう「讃美歌」)として聖体の祝日に歌われるものなのですが、このミサで使われているのはイムヌスのほうになります。そのフレーズを各声部にいわばうめこみ、ポリフォニーで展開させ循環させているのがこの曲の特徴です。

さらに驚きなのは、ジョスカンはすでに部分的にモノフォニーもとり入れていて、クレドのin carnatus estの部分にみることが出来ます。こういった技法をみるだけでも彼の音楽が並はずれたものであるということが理解できると思いますが、その音楽がさらに美しいのです!各声部のバランスも素晴らしいですし、それを十二分に表現するタリス・スコラーズは実力は申し分ありません。

オケなどいりません・・・・・もちろん、この曲はアカペラですから楽器などもともとないわけなのですが、本当にこれだけで完成されているので、楽器があるとかえって邪魔になるくらいです。実はこういった点にはまって、ルネサンスしか聴かないという人もいるくらいです。さすがに私はそこまではまりませんでしたが・・・・・しかし、今でも結構聴く頻度は高い曲ではあります。

次にラソファレミ、ですが、これはその音節が定旋律となって循環していくことから名づけられています。こちらのほうがソルミゼーションは分かり易いのではないでしょうか。そのためか、上記ジョスカンの説明であげたサイトのうち、二つ目に簡単に作曲の動機が出ていますが、それが本当かどうかは定かではありません。もともとジョスカンは謎の多い人ですから、それはわかりかねますが、いずれにしてもこの曲ほど「ソルミゼーション、カノンによるもの」という特徴がわかりやすい曲はないでしょう。ある意味、ジョスカン入門としては適切な曲だと言えましょう。

それを知って買ったのですかと聞かれそうですが、実は知りませんでした・・・・・ではなく、実は知って買ったのです。正確には教えてもらってこれがいいと判断してですが。ときに合唱団でレファレンスをやっていて、友人にルネサンスの合唱曲をよく知っている人がいて、その人のアドヴァイスを受けながら買った一枚なのです。わたしもご多分に漏れず、バロック以降の作品ばかり聴いていましたので。しかし、今ではこのCDを買ってよかったと思っています。なぜサン=サーンスに「オルガン付」が存在するのか、理解することができるのですから。

ルネサンスはそういった宝の山です。これからもっと集めていきたいですね。



聴いているCD
グレゴリオ聖歌「パンジェ・リンガ」
ジョスカン・デ・プレ作曲
ミサ「パンジェ・リンガ」
ミサ「ラソファレミ」
ピーター・フィリップス指揮
タリス・スコラーズ
(Gimell PHCP-1901)



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