かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン弦楽四重奏曲全集12

県立図書館所蔵CDのハイドン弦楽四重奏曲全集の今回は第12回目、第12集を取り上げます。収録曲は「プロシア四重奏曲」の第2番から第4番に当たる、第45番から第47番です。

第11集は4曲入っていましたが、この第12集は3曲になっています。その分、「プロシア四重奏曲」は規模がやや大きくなっているということになります。それでも、音楽はひたすら軽妙で、楽しいものです。

第45番はハ長調です。室内楽では珍しい調だと思います。頻繁にはお目にかからないと思います(もちろん全く使われていないわけではありませんので)。「聖なる調」ハ長調は、宗教曲で使われることが多いわけですが、もちろんそのほかのジャンルでも使われないわけではありません。ただ、ハ長調というのは全く臨時記号が付かないわけですから、とても清らかな調というイメージが存在するわけなんですね。

世俗曲では、特に18世紀初頭にハ調のトランペットが発明されてから多くなりましたが、逸れ以前は合唱で使う調というのが一般的です。その点から言えば、この曲がハ長調であるということは時代を反映していると言えましょう。

第46番は軽妙さがさらに深化した音楽です。一見しますとつまらなそうに見えますが、流麗なその音楽は徹頭徹尾抜けるような青空。ハ長調という曲の次に持ってきたということを考えますと、その前の曲がなぜハ長調なのかということも興味がわきます。この曲が全体の中で持つ性格はいったいなんぞや?などと哲学的なものを考えたくなります。

第47番は嬰ヘ短調とこれもまた珍しい調性を使用しています。そのせいか、第1楽章は少し重々しさすら感じます。荘重さというほうが正しいでしょうか。気品と気高さが特に光る曲です。軽妙な音楽の中にいきなりこんな曲が紛れ込むのです。この曲が初演されたサロンにはいったいどんな人たちがいたのだろうと、わくわくします。これは決して単なるBGMではありません。明らかに聴衆というものを意識しているように感じるのは私だけなのでしょうか。終楽章ではさらにフーガを使うなど、明らかにハイドンが一つ階段を上っているんですね。

ハイドンの音楽はその継承者たちの音楽があまりにも素晴らしすぎるせいか、どうしても低評価になっていますが、こうして詳しく見てみますといやいやとんでもありません、低評価はあまりにもその「継承者」たちにも失礼なのではないのかと思います。つまり、高評価であるモーツァルトベートーヴェンですが、彼らからすれば「私たちの先生であるハイドンが、そんなに評価が低いのか!」と驚きを隠せないのではないかと思うのです。

エオリアンの演奏を聴いていますと、その点をしっかりと認識して演奏しているように思います。素晴らしいアンサンブル、そして絶妙なるアインザッツ。それが織りなす豊かなる表情。どこが軽薄なの?と首をかしげてしまいます。イギリスは確かに有名な作曲家は少ないと思いますが、伝統を大切にする演奏団体を数多く輩出しているような気がします。

一体それはどこからいずるのでしょうか?その点はとても興味ありますね。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
プロシア四重奏曲作品50 第2集
弦楽四重奏曲第45番ハ長調作品50-2 Hob.III:45(プロシア四重奏曲第2番)
弦楽四重奏曲第46番変ホ長調作品50-3 Hob.III:46(プロシア四重奏曲第3番)
弦楽四重奏曲第47番嬰ヘ短調作品50-4 Hob.III:47(プロシア四重奏曲第4番)
エオリアン弦楽四重奏団



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