今回の県立図書館所蔵CDは、ブルックナーの交響曲第0番と弦楽五重奏曲をオケ版編曲したアダージョです。指揮はスタニラフ・スクロヴァチェフスキ、オケはザールブリュッケン放送交響楽団です。
いわゆる、0番の名盤です。こんなものまであるとは思いませんでしたね。
図書館には、それほど名盤と呼ばれるものはブルックナーに関してはありません。とは言っても、数は結構ありますし、貸し出している数も結構あります。OPACで検索しますと結構ブルックナーのものは「貸し出し中」になっていることが多いです。
私もこのころからはOPACを使って予約するようになっていたので、ブルックナーに関しては状況を把握して借りています。とは言っても・・・・・
実は、私はこのころあるイベントで00番から9番まで一気に聴くというものに参加し、いくつかほぼ順番に聴いています。ですので、実は00番から借りたかったのですが、残念ながら00番は図書館にないということが分かったのです。
いずれ、図書館のものも徐々に借りていきたいと思っていますが、その時点で図書館から借りてそろえるというのはなくなりました。そして、いまでもブルックナーは00番だけがありません。ある友人が一枚数百円で譲ってくださいまして、0番から9番まではCDを持っていますが、00番だけはなかなかです。
ですので、これを借りた時にはとりあえずまず0番からそろえて、00番はモーツァルトの時と同じように別の指揮者でそろえればよい、それは買っても借りてもいいだろう、ということで借りてきたのが、このスクロヴァチェフスキの指揮のものです。
そして、この演奏はCD-Rではなく、外付けHDに保存するようになった第一号です。大金払って買った外付けHDですが、本当に役立っています。確かに2台で2万円以上かかりましたが、それをすでに回収しています。それにかかった時間はほぼ一年でした。コンポで聴けないというデメリットはありますが、すでにコンポで聴かなくなって数年経ちます。今やパソコンがコンポの役割を果たしていますので、この判断は間違っていなかったと思っています。
そのメリットは、このブルックナーから、WAVファイルでのみとっておくようにした、という点です。以前はCD-Rのほかにパソコンではmp3を保存しておきました。しかし、今では外付けのWAVだけです。mp3が欲しければ、外付けの音源からコンバートすればいいだけにしてあります。音質がいい上に、とてもスマートです。しかも、当時は前のパソコンの時でしたからUSB1.1でして、それでも問題なかったですが、今ではそれが2.0。音質がさらに向上しました。
つまり、この音源から、私の音楽ライフが完全に変わったのです。その記念すべき音源でもあるのです。それがブルックナーというのも、何かの縁を感じます。この名演が、素晴らしい音質で聴くことができる幸せ・・・・・
さて、音楽そのものはと言えば、これは0番という称号を与えられています。とはいうものの、実際には第1番の次に当たる曲であり、第1番と第2番の間に作曲されたというのが現在有力です。しかし、多くのブルックナーファンの方がおっしゃるように、すでにブルックナー終止も存在し、クオリティも高いものです。なぜ、本人が番号を付けなかったのか、本当に疑問です。
これはウィキペディアからですが、ブルックナーは当時のウィーン・フィルの指揮者フェリックス・オットー・デッソフに打診しますが、第一主題はどこだといわれて、意気消沈したとのエピソードがあります。それで番号を付けなかったというのが現在有力です。
交響曲第0番 (ブルックナー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC0%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC)
まあ、いろんな詮索はできますが、総合しますと、彼自身はかなり愛着があって、自信も持っていた作品だったが、世に出すわけにはいかない曲、だったのだと思います。実際、彼はいらないと判断したものは破棄してしまっていますから。どれだけこの曲に愛着があったのかがわかります。
私もよく使う表現ですが、ブルックナーは天上の音楽とも言われます。スクロヴァチェフスキはそれをよく表現していて、金管は本当にうっとりします。すでに彼の個性全開なこの曲にあらたな光をしっかりと当てていまして、特にそれを感じるのが第3楽章です。
今、ちょうど大バッハの息子たちを重点的に借りていますが、それがひと段落ついたら、今度は図書館でブルックナーを借りて、そしてそろそろ00番もほしいなあ、と思っています。やっぱり、この神代の世界のような音楽は、何物にも代えがたいと思います。
カップリングのアダージョは、実はスクロヴァチェフスキが編曲したもの。それのなんと甘美で美しいことでしょう!原曲の室内楽も聴いてみたくなります。もしかすると、ベートーヴェンの時のような発見があるかもしれない・・・・・そう思わせるのに十分です。
聴いている音源
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第0番ニ短調(1869年原典版)
アダージョ(弦楽五重奏曲ニ長調より、スクロヴァチェフスキ編曲による弦楽合奏版)
スタニラフ・スクロヴァチェフスキ指揮
ザールブリュッケン放送交響楽団