かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルトのピアノ協奏曲とソナタ

今週から、県立図書館所蔵CDのコーナーは、基本的に一日増えて金曜日にもエントリをあげることにしました。ただ、固定とはせずほかのコーナーとのバランスを見ながらにしようと思っています。

原則は金曜日もですが、事情によりほかのコーナーになることもある、ということでご了解いただきたく存じます。

さて、その金曜日にもあげる第1回目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第12番とピアノソナタ第13番です。ピアニストはコンチェルトがブレンデルソナタホロヴィッツ。マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団です。

もちろん、こんなカップリングはありません。実は、それぞれほかのCDから集めたものです。コンチェルトはもともと第17番と一緒だったもの。そう、これだけモーツァルト全集にもぺライアのにもなかったので、借りてきたというあれです。そのカップリングが第12番だった、というわけです。ですから、これはぺライアと当然聴き比べができることになります。そして、ソナタホロヴィッツ。これも、音飛びがしているというのでほかに借りてきたというピアノ協奏曲第23番のカップリングだったのです。

つまり、自分で編集したモーツァルトのピアノ協奏曲全集の、あまりだったのです。それは前回の第14番から第16番までと同じ状況です。

せっかくだから、それをカップリングさせて、とっておこうということでCD-Rに焼いたのがこの演奏です。どう考えてもこの二人が所属するレーベルからしますと実現不可能でしょう。

しかし、これはふたたびピアノ協奏曲の全集の時と同様、ブレンデルホロヴィッツという、二人の巨匠の演奏を聴き比べることもできる内容になっているのです。それをねらってカップリングさせたわけではないのですが、しかしこれでもそうすれば面白いかな?と思ったのは事実ですね〜。

どちらにも共通するのは、やはり「正しい軽さ」です。必要以上に力を入れない奏法から紡ぎだされるその演奏は、華麗であってかつ気品もあります。それに、マッケラスの颯爽とした解釈がとてもよく似合います。

CDが売れないのであれば、こんなカップリングも本当はありだと思いますが、まあ、いろんな権利の問題が立ちはだかるのは間違いないでしょう・・・・・・ですので、あくまでも個人の楽しみとして、このようなカップリングをしてみた、ということです。

それは、以前ご紹介した、ジュネーブ国際音楽コンクールで優勝した、萩原さんにも共通します。その「正しい軽さ」は演奏の幅を広くするだけでなく、演奏家としてのピークを長く保つことへもつながります。私が評価しているのもそこですし、恐らく専門家が評価されているのもそこだと思います。

モーツァルトを聴く、というのはそういう点を勉強できる点でもあります。それは、無限に広がる大宇宙へ足を踏み入れるような、そんな感覚でもあります。それを知りますと、ベートーヴェン室内楽の素晴らしさに気づいてくるという相乗効果があります。

以前、アルバン・ベルクスメタナを比較した時にも言及しましたが、その技術的な「正しい軽さ」こそ、素晴らしいのです。その軽さあってこそ、フォルティシモで演奏しなければならないところで強く弾くことが活きてくるのですから。

それは音楽のメリハリをつけることにもつながります。それを知りますと、聴いていて気が付くことがたくさん出てきまして、今まで聴いていた曲が別物になって、素晴らしい世界へと連れて行ってくれるのです。



聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414
ピアノソナタ第13番変ロ長調K.333
アルフレッド・ブレンデル(ピアノ、コンチェルト)
ウラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ、ソナタ
サー・チャールズ・マッケラス指揮
スコットランド室内管弦楽団