かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:モーツァルト ヴァイオリン協奏曲全集2

今回の県立図書館所蔵CDは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の第2集です。収録は、第3番から第5番まで。

この3曲、もともと私はツェートマイヤーで持っています。それと比べると、面白いのですが、正直、第3番と第4番はそれほど差はありません。せいぜいテンポくらいですが、しいて言えば、独奏部。歌ってますね〜、クレーメル

ですが、第5番では明らかな差が認められます。独奏部が歌っているのはもちろんですが、第3楽章。

知っている人は、ああ、あれかっていうものなのですが・・・・・・

それは、コル・レーニョ。これは、弦楽器で、「弓の毛ではなく棒の部分で弾く(叩く)」(ウィキペディア)、弦楽器独特の奏法です。

それが、はっきりと認識することができます。

これはツェートマイヤーでもあれ?とは思っていましたが、それほどよく聞こえないんですね。それが、この音源でははっきりと、まるでこれ見よがしに聴こえてきます。

マイクのせいなのか、それとも別な理由なのかはわかりません。マイクのせいではないとすれば、さすがウィーン・フィルだなあという気がします。

それは、下記ウィキペディアの記事を参照していただければわかるかと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A7

楽器を痛めるわけですから、この奏法をやるとなると、リペアの分のコストがかかるわけです。金銭的に余裕のあるオケでないと、まともにやるのは難しいでしょうね。

ただ、ツェートマイヤーのもフィルハーモニアですが・・・・・資金面で差があるのかもしれません。録音当時の財政も絡んでくるでしょうし、またギャラがいくらだったかなんて、下世話な話にもなりますし・・・・・

そんなことが見え隠れする演奏です。

全体的には、すでに述べましたが、独奏者クレーメルを思う存分歌わせています。オケと一体となってノリノリのツェートマイヤーとまた違う魅力があります。

どちらがいいかは甲乙つけがたいですね〜。

この演奏はとても会話していまして、ウィーン・フィルが明らかに編成を小さくしているのがわかります。指揮がアーノンクールだということもあるのでしょうが、その効果は存分に出ているように思います。ヴァイオリンに多少のリタルダンドがあるにせよ、オケもテンポよく音楽を展開させ、ともに軽くて、室内楽的な当時の協奏曲の感じがよく表現されているなと思います。

カデンツァは・・・・・ツェートマイヤーのほうに軍配が上がりそうですが、でも悪いものではありません。

これなら、ツェートマイヤーでも全集がほしい・・・・・・そう思わせてくれます。本当の名盤とは、ほかのも聴きたいな、と思わすもの、であると私は思うからです。



聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団