かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:快挙!ラヴェルでとった「優勝」

昨日、快挙が飛び込んできました。広島出身の萩原麻未さんが、なかなか優勝者を出さないことで有名なジュネーブ国際音楽コンクールで、見事優勝したのです。

それも、ラヴェルのピアノ協奏曲で・・・・・

ラヴェルのピアノ協奏曲については、ウィキペディアの以下の文章をご参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB)

この曲は、高い技術と表現力、そして何よりも「ノリ」が要求されるものなのです。それによって色彩感覚あふれる曲となっているのです。それは、大部分実は日本人が苦手そとするものでした。

それを、彼女はやすやすと乗り越え、優勝をしてしまったのです。

演奏は、以下のサイトで動画付きで聴くことができます。

http://liveweb.arte.tv/fr/video/Finale_de_piano_du_concours_de_Geneve/
※ほぼ57分ごろから演奏が始まりますが、微妙に異なることもあるので、50分くらいから再生するのがベストです。

これでも、彼女は優勝後のコメントで「自分の未熟さを感じた」というのですから、王道の教育を受けているなと感じました。

それは、次点に終わった韓国のピアニストの演奏を聴きますとわかります。彼女はラフマニノフなのですが、音楽は確かに重々しいものなのですが、それが余計に重々しくなってしまっています。ラフマニノフにとってピアノとは「ロシア正教の鐘」であり、それが表現しれきっていないように思うのです。もうちょっとだけ軽くないと・・・・・

ところが、萩原さんはラヴェルが表現しているコミカルな点から発せられる色彩感を思う存分表現しています。恐らく、その点が分かれ道だったのかなと思います。私もすべて聴いてみましたが、どなたも素晴らしいのです。でも、やはりその「正しい軽さ」という点では、萩原さんが抜きんでていたように思います。

このラヴェルのコンチェルトは、今年公開された「のだめカンタービレ最終章後編」の冒頭でも演奏されているもので、それで知っている方も多いかと思いますが、その時も千秋がこだわっていたのが色彩感だったと思います。この曲はそれが出せるかどうかが勝負なのです。それが、この曲をとても楽しく、なおかつ気品あるものにしています。

それを表現しきった萩原さん。私は必ず大成する方だと思います。今後、彼女の演奏を聴くのが楽しみです。