今回の神奈川県立図書館の所蔵CDのコーナーは、モーツァルトのクラヴィーア協奏曲のピリオド演奏の第5集目です。
この第5集には第16番と第19番、そして第21番と、収録時間の関係か、とびとびで収録されています。ただ、この第5集では随分バランスの問題が解決されています。
それはそれで素晴らしい演奏ですけれど、それでお悩み解決!としてしまっていいのだろうかと思います。
では、なぜこのようなばらつきがあるのだろうかと考えてしまいます。モダンではこんな演奏に当たった経験はありません。
古楽であろうがモダンであろうが、曲によって編成を変えるのは当たり前だと思います。ピリオドでも、少なくとも同じバッハでもBCJはステージ上で頻繁に編成を変えます。モダンでは後期ロマン派と古典派、あるいは交響曲や協奏曲で編成を変えるのは当たり前なんですが・・・・・
それをどのようにこれはやったんだろうって思います。せっかくの演奏が台無しのような気がします。
少なくとも、この第5集の演奏はすばらしいと思います。オケとクラヴィーアとのバランス。当時まだチェンバロ的な音色だったフォルテピアノをたくみに扱って、リズムを際立たせつつ、メロディアスに弾くピアニスト・・・・・絶妙です。でも・・・・・
素晴らしさからくるこの違和感はなぜだろう?と思います。
図書館には他にピリオドもありますが、それも借りつつ、実際に他のピリオドでの全集ももし手に入るのだとすれば、欲しいところです。BCJの演奏から考えてはいけないかもしれませんが、彼らの演奏を聴くにつけ、この演奏とどうしても比較してしまいます。もっと上手に楽器や編成を扱った演奏があるはずなのでは?と思います。
もしかすると、そのために図書館はわざわざ時流に乗ってピリオド楽器の演奏をモーツァルトでは中心にしている?
そうだとしますと、まだまだ私は県立図書館を使いこなしていないのかもしれません。借りてこないと!
聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
クラヴィーア協奏曲第16番ニ長調K.451
クラヴィーア協奏曲第19番ヘ長調K.459
クラヴィーア協奏曲第21番ハ長調K.467
マルコム・ビルソン(フォルテピアノ)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
(ARCHIV UCCA9023)