今週のマイ・コレはシューマンが二つです。今日はシューマンの交響曲「春」と「ライン」。ズビン・メータ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。
この時期、ちょうど大学3年生の夏休みころだったと思いますが、いろんな作曲家の作品にようやく目が向き始めたのでした。前回とりあげたシベリウスといい、そしてこのシューマンといい、実はいずれも以前他のジャンルを買ってよかったので、交響曲もと買い求めています。実は、これは生協でではなく、渋谷のHMVです。
シベリウスはちょっと・・・・・と思っていたころ、シューマンも交響曲を書いているということを知ります。しかも、彼が書いたのは全部で4曲しかありません。思い切って全部集めてみよう!とまず買ったのがこのCDです。
シューマンの交響曲といいますと、まさしくロマン派の交響曲そのものです。ふくよかな旋律、溢れるばかりのロマンティシズム。ほとんどはじめてでしたが、すっと自分の心に入ってきました。実は、明日取上げます第2番と一緒にこのCDは買っているのですが、買うときに散々迷った演奏でした。それだけに、いい買い物をしたなと満足だったのは覚えています。
ただ、これは廉価盤(ロンドンベスト100)の哀しい性なのか・・・・・ちょっとだけ録音に難点が。それは、デジタル録音とアナログ録音とが同居している、という点です。
演奏自体はウィーン・フィルですし申し分ないのですが(メータなので余計かもしれませんが・・・・・ん、なぜかって?当時ビッグネームではありませんから、メータは。それがなぜかは、ここでは差し控えます)、この二つの録音方式が混ざりますと、聴き手としましてはちょっと混乱します。まあ、慣れればそれほどでもないですが^^;
それはやはり、ダイナミックレンジの差が演奏にはっきりと現れてしまうからです。「春」はかなりダイナミックな演奏で、それゆえにフォルティシモの部分は明らかに「これは録音時針が目一杯だったろうなあ」と思わせる部分が冒頭からやってきます。それはそれでいいのですが、でもそれが「ライン」ですともっと落ち着いたものになっています。
ん?同じはずだけど・・・・・明らかにどちらもフォルティシモ、だよね〜
でも、違うのです。どちらも演奏としてはすばらしいのですが、この点がはっきりと違ってきます。このあたりを知っているのと知らないのでは、この演奏の評価がまるで違ってくるようにおもいます。
いずれにしても、シューマンの交響曲がもつ独特の世界はすばらしく、ウィーン・フィルのふくよかなアンサンブルがそれを引き立てています。
構造的にはあまり上手ではないといわれるシューマンですが、私はなぜかそれがそんなに悪く感じられないのです。なぜだろうと思っているのですが・・・・・
最近、いろんな議論の中で気がついたのですが、シューマンといいますと理論を重視した人としても有名ですし、恐らくそういった部分がこの2曲とも共通してもつ特徴なのではと思います。それが一番よく現れているのが、「ライン」だと思います。この曲は楽章によってはイタリア語だけでなくドイツ語でも指示がついていますが、そのためか各楽章それぞれ世界が違うものになっています。なのに、全体としてはおかしくない・・・・・
そここそ、実はシューマンの交響曲が持つ特徴なのではないかと、思っています。
でも、それがいいと思う私って、やっぱり変?それとも、まとも?
ご判断は、皆様へゆだねたいと思います。皆様はいかがお考えでしょうか?ご自分の心と対話しながら聴きましても、面白いかもしれません。
聴いているCD
ロベルト・シューマン作曲
交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
ズービン・メータ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ロンドン F00L-23099)