かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:ドヴォルザーク 交響曲第4番・第8番

さて、いまだ終わらない今月の「今日の一枚」シリーズ、今回はドヴォルザーク交響曲第4番と第8番です。指揮、オケ共にやはり前回と一緒です。

この二つはすでにノイマン/チェコ・フィルとスウィトナー/シュターツカペレ・ベルリンで持っています。特に、8番はどうしてもノイマン/チェコ・フィルとの組み合わせと比べてしまうんですよね・・・・・

で、率直な感想は・・・・・・悪くはないけども、なんです、やはり。

この2曲はそもそも、最初に買ったノイマン/チェコ・フィルでもまったく同じカップリングなのです。順番が8番・4番になっているだけ。それとどうしても比べてしまいます。ちなみに、ノイマン/チェコ・フィルのほうは1982年の録音で、名盤の誉れ高いものです。

まあ、それと比べるなよといわれそうですが・・・・・

スロヴァキア・フィルの4番はいいです。テンポが全体的に早めで、アグレッシブな演奏を聴かせてくれます。しかし、8番は・・・・・

「鉄」の私としましては、不満の残るものでした。いや、演奏は決して悪くありません。むしろ、すばらしいといえるかと思います。

それでも不満が残る原因は、特に金管とリズム感にあります。

8番は別名自然交響曲とも言われ、ボヘミアの自然を表現したもの、とされています。しかし、私はそのリズムから、どうしても鉄道、特に蒸気機関車の音を感じずにはいられないのです。

それは、特に金管の鳴らし方にあります。スロヴァキア・フィルはまるで狩の角笛のように鳴らすのですが、チェコ・フィルは機関車の汽笛のように鳴らすのです。

それに、前進するリズム。とくにチェコ・フィルの8番はテンポが早いので、狩の様子とは到底思えないような表現です。

これにつきましては実は専門家の間でも議論になっていて、ドヴォルザークが鉄道ファンであったのは有名な話なのですが、実は生家の近くを鉄道が通っているそうなのです。そのため、彼の音楽には鉄道が出す音がリズムとして使われているという分析があります。

それが正しいかどうかはまだ判断がされていません。しかし、鉄道が好きなら充分ありえることだと、私は考えています。以前にも、述べたと思いますが・・・・・・

私の場合、東京から横浜を通り、大和市までをむすぶ私鉄の沿線に住んでいます。小学校への登下校の道筋には鉄道が通っており、私にとってそれはごく普通の生活のリズムでした。

ドヴォルザークも、ウィキペディアでも出ていますが、列車からするリズムがいつもと違うことを指摘したことから、事故が未然に防げたという逸話が残っており、彼がいかに鉄道のリズムに親しみ、それが生活の一部だったかがよくわかると同時に、私自身も鉄道ファン、つまり「鉄」だからこそよく理解できるのです。

スロヴァキア・フィルの演奏はボヘミアの田舎を表現しているように感じ、とてもすばらしいのですが、「鉄」の私としては、そこにさらに鉄道が走っていてくれないと違和感を感じるのです。チェコ・フィルの演奏はまさしく、鉄道写真なのです。


聴いているCD
アントニン・ドヴォルザーク作曲
交響曲第4番・第8番
シュテファン・グンツェンハウザー指揮
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団