今回の「今日一枚」は、ハイドンです。ナクソスから出ている、交響曲全曲シリーズのうちの一枚になります。
今、ハイドンの交響曲を全曲収録しているのは、恐らくアンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカと、アダム・フィッシャー指揮、オーストリア=ハンガリー管弦楽団、そしてこのナクソスのシリーズになるかと思います。
私はお金をかけないために、図書館で集めることにしまして、アンタル・ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカで集めたのですが、そのうち第33番と第62番に音とびが・・・・・
で、第62番は何とかアダム・フィッシャー指揮のであったからよかったものの、第33番だけはどうしても図書館ですら他になかったのです。ですので、これはもう買うしか他方法はない、と思っていました。
そして、給料が出て銀座へ買いに行った折、たまたまナクソスのコーナーを見ていたら、そういえばナクソスでハイドンのシリーズがあったはずだけど・・・・・と思い、見てましたら、あったのです!
それが、この一枚です。全体として、快活な演奏で、聴いていてさわやかです。
全曲4楽章形式なのですが・・・・・
ハイドンは、4楽章形式であっても注意が必要です。ハイドンを聴く場合は、ウィキペディアよりも以下のサイトを参照されることをお勧めします。
ハイドンの交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn
個人のサイトでありますが、学者の研究結果を基にして、ハイドンの交響曲を時期と、形式で分類した、非常に学究的でかつわかりやすいサイトです。
で、さらに私が全曲聴いた経験から申しますと、ハイドンの4楽章交響曲には、二つのパターンがあります。
�@後のモーツァルトやベートーヴェンのものへと発展する礎になった形式
�A3楽章の交響曲に、序章をつけたもの
で、第32番と第33番は�@であり、第34番は�Aです。第34番の第一楽章はアダージョです。ハイドンの交響曲は第一楽章にアダージョがおかれている場合、まず間違いなく全体の中の序曲的な役割を持っていまして、実質は第2楽章が交響曲の開始になることが多いのです。
それでも成立で一番古いのは第32番であり、一番新しいのは第34番です。え?と思う方もいらっしゃると思います。
ちょっと知識がある人ならば、交響曲はまず3楽章で成立し、その後4楽章へ拡大され、それが基本的に後期ロマン派まで受け継がれて、ブルックナーで頂点を極め、マーラーによって破壊された、と学習しています。
しかし、このハイドンの場合、3楽章形式で書かれたものに序曲をつけたような曲が一番新しく、もともと4楽章形式のもののほうが古いのです。
これって、何かおかしくありませんか?
いずれ、これは私は楽章形式を定数調査して、このブログで発表したいと思っています。数えればわかることではありますが、なにぶんハイドンは数が多いので・・・・・
それに、そのときにはモーツァルトと比較したいと思っています。何かがおかしい、そう思っています。
作曲時期と、楽章数を定数調査すれば、見えないものが見えてくる。そう思っています。あらためて、そういう気にさせてくれた一枚です。
聴いているCD
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第32番・第33番・第34番
ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮
ケルン室内管弦楽団
(Naxos 8.554154)