今日はピアノソナタ第20番と第19番と二つ取上げます。え?第4番じゃないのっていう、ア・ナ・タ。その気持ち、よーくわかります。私もCDの装丁を見たときに「え?間違ってるんじゃないの?もしかすると、収録時間の都合上か?」って思いましたから。
しかし、改めて調べてみるとびっくり!実は、これら2曲はもともと第4番目と第5番目の作品番号つきピアノソナタなのに、第20番と第19番にされてしまったのです。もともと、作曲年代は4番よりこの20番と19番のほうが古いのに・・・・・・
しかも、面白いのは、この20番と19番の順番もひっくり返っていることです。19番は作品49-1で、20番が作品49-2となっているのに、実際作曲された順番は20番、19番なのですから。
ですので、私が聴いている山根弥生子さんのCDは第20番、第19番の順番で弾いています。
内容的には、前作の作品2三部作とは打って変わって、聴きやすい曲です。もちろん、ベートーヴェンらしい高貴さはありますが、なんとなく練習曲風な感じさえ受ける曲です。第20番は長調、第19番は短調という差はありますが、そんなことはまったく気にしなくていいでしょう。とても気軽に聴くことができます。
ト長調とト短調という組み合わせに、ベートーヴェンの意図的なものを感じます。さらには、形式的には初の2楽章形式でもあります。とても平明で一見すると取り立てて何もないような曲ですが(モーツァルトの時代のような音すら聞こえますから)、しかしそこにとてつもない革新がかくれているという、これぞベートーヴェンの「びっくり箱」といえるかもしれません。
演奏時間も二つ合わせて15分ほどと、ベートーヴェンの作品番号つきピアノソナタの中では最も短い曲で、基本的にはソナタではなくソナチネといわれますが、しかしただのソナチネではないことは明らかだと思います。
これだから、最近ピアノソナタはやめられません。どこまで病みつきになるか、楽しみでもあり、注意すべき点でもあるなあと思っています。
皆さんも聴き過ぎに注意しましょうね!・・・・・って、それは私だけか。