かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

ベートーヴェン ピアノソナタ第2番イ長調作品2-2

さて、今日はピアノソナタ第2番です。この曲は一転して明るく、第1楽章などはまるで小鳥が歌っているようです。でも、既にベートーヴェンらしい陰影があり、私たちを彼の世界へと引き込んでいきます。

全曲聴いて見ますと、4楽章形式というのは初期に多く、特にこの作品2の3作品は全て4楽章です。もちろん、後の作品にも4楽章はありますが、数は少なくなります。

実際、4楽章形式の曲は、

・第1番
・第2番
・第3番
・第4番
・第7番
・第11番
・第12番
・第15番
・第18番
・第29番

となり、初期の数は突出しています。全体的に見ても、ベートーヴェンの作品番号がついているピアノソナタのなかで約3割です。意外とすくないなあという感じです。しかし、これに3楽章形式以外を加えてみましょう。3楽章および4楽章形式以外のピアノソナタは、

・第20番
・第19番
・第13番(3楽章形式ですが、事実上の1楽章形式)
・第21番
・第22番
・第24番
・第26番(これも3楽章ですが、事実上の2楽章形式です)
・第27番
・第31番
・第32番

と、中期以降はほぼ2楽章形式で書かれていて、二つの形式をあわせますと、19曲と、ベートーヴェンの作品番号つきピアノソナタの中で占める割合は実に59.375%と、約6割にあたるのです。

第2番は本当に明るく、すぐ終わってしまうのですが、こう形式を数字で表してみると、この3部作の重要性はかなり高いのではないかという気がします。

ベートーヴェンピアノソナタは「ピアノソナタ新約聖書」と言われますが、楽章形式を数量調査してみると、その意味がよくわかります。いかにそれまでの3楽章形式を打ち破ろうとしていたか、数字は正直に教えてくれます。

終わり方も「あれ?終わったの?」っていう感じですし、自動車評論家の三本氏の言葉を借りれば「びっくり箱」が意外とたくさんあり、聴き飽きません。冒頭の「タタン♪タラララン♪」というリズムから構成されるソナタ形式も楽しいですし、単に孤高の大作曲家というよりも、メロディ作家という側面も覗かせています。

当時のベートーヴェンに対する熱狂ぶりを彷彿とさせる作品だと思います。