先日、リサイタルで聴いたハンマークラヴィーアですが、ようやく冷静に聴けるようになりました。
図書館で借りてきた中にハンマークラヴィーアがあるのですが、それが最初なかなか違和感がありまして・・・・・
もちろん、演奏はいいのです。ピアニストは山根弥生子。実績のある方なのですが、それがどうしても軽い演奏に感じられてしまったのです。
年齢的に、そんなわけはなく、随所に味があるのですが、でも、リサイタルの衝撃があまりにも大きすぎ、それに気づくことがなかなかできません。
でも、最近やっとその興奮が冷めてきまして、「お、やはり年齢を経ているだけの味があるな」と感じられるようになりました。
私自身もそうですが、若いときはどうしても肩に力が入ってしまいます。それはそれで私自身も共感しますし、すばらしいのです。
やがて、年齢を経ていろんな経験をして、酸いも甘いも知ってきますと、贅肉をそぎ落としたような演奏にも、共感するようになります。実際、最近の私がめっきり室内楽へのめりこんでいるのは、そういう年齢的なものが多分にあると思っています。
達観というのでしょうか。そういう点が随所に感じられます。
しかし、それはリサイタルの演奏者である、瀬川さんの演奏を否定するものではありません。むしろ、恐らく私よりも若いのに、これだけ楽譜から読み解き、作曲家の心を感じ取り、それを具現化するというのは並大抵ではなかったであろうと想像すると、涙が出てくるのです。
一体、瀬川さんはわたしよりどれだけいろんな経験をされているのだろう。それを考えるだけで、なんともいえぬ感情を抑えることができないのです。
そういう意味では、私はいま、ちょうど人生の中間点を迎えているのかもしれません。
ということで、予告どおり、ベートーヴェンのピアノソナタを順番に取上げて行きたいと思うのですが、その前に私のわがままに2回だけお付き合いください。頼んでいたバッハが届きましたので、それについて書きたいのと、バッハを頼んだときに購入したブルックナーのミサ曲がまた衝撃でしたので、それについて書きたいと思います。
ベートーヴェンはその後、取上げます。もう少し、お待ちくださいね。