かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:スーパーベルズ モーターマンVol.2

今回のマイ・コレは、久しぶりにスーパーベルズを取り上げます。彼らのセカンドアルバムです。

一応、ベルズ(スーパーベルズの略称)がどんなグループなのか、再掲しておきましょう。

SUPER BELL"Z
http://ja.wikipedia.org/wiki/SUPER_BELL%22Z

テクノという、ここではあまり取り上げないジャンルですが、私がベルズ好きであることから、ベルズを取り上げる時だけご紹介するジャンルです。

テクノポップ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8E%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%97

さて、この第2集は、原題はMOTOR MANなので関西の鉄道を扱っているのですが、実際には関東の路線も2つ入っています。いずれにしても、どの楽曲も私たちを楽しませてくれます。

まず、1曲目は「大阪環状線」。東京の山手線が「戸籍上」環状鉄道にはなっていないのに対し、大阪環状線は「戸籍上」においても環状線になっています。

大阪環状線
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E7%92%B0%E7%8A%B6%E7%B7%9A

その大阪環状線は、東京における山手線同様、環状線であるために短絡線の役割を果たしており、混雑も半端ではありません(私も以前朝方のラッシュが終わる時間に乗ったことがありますが、それはもう大変な混雑でした)。それを題材にして、「大阪のおばちゃん」のマナーの悪さをエピソードとしてさしはさんで、楽曲に仕上げています。おばちゃん役である中村美津子がとても似合っていて、1曲目から笑いが止まりません。

そう、この第2集では、主に鉄道の風景といったものを上手に処理して、面白いものにしています。ある意味レトリックでもあるので、まるでバロックかと思うような楽曲も存在します。

次の「阪急神戸線」はベルズ伝統のアナウンスを面白くしているというもの。3曲目の「阪急京都線」は運転士の指さし歓呼がまるで歌舞伎。「京都線」だからと言ってそこまでやるのか!と思わず突っ込みをしてしまいます(というより、明らかに関西の路線ということでのりつっこみということを意識していますね)。多分、関西の「鉄」の間で有名な運転士が阪急京都線にいらっしゃるのでしょう。それをデフォルメしているのだと思われます。大抵、ベルズがこういったデフォルメをする時には、そういった乗務員がいる場合が多いのです。

そして、そのバロック様式とも言うべき楽曲が、1曲目とこの4曲目の「終電上野発23:54分」です。これも終電の風景を描いた作品ですが、終電を知らせるホームのアナウンスと、混雑を見たオッチャンの「こりゃあ一杯やんねえとやってらんねえ」という台詞がレチタティーヴォの役割を果たしています。そこから、終電間際の上野駅「地平ホーム」における騒動が始まります。一杯やっていたら他人に酒をかけてしまい喧嘩に。その結果二人とも終電に乗れず・・・・・と思ったら、天の助けか、おっちゃんには急行「能登」(2010年のダイヤ改正で廃止。つまり、この楽曲は2010年以前のものです)があった!それに乗って、一安心と思ったら、車内アナウンスが「深夜ですので乗り過ごしにご注意を」と流れた時にはすでに深い眠りに・・・・・

で、起きたら富山であわてる、というもの。もう「一杯やんねえとやってらんねえ」のレチタティーヴォは何度聴いても爆笑ですが、富山駅で諦観して「取りあえずますのすしください」という情けない姿も面白いです。

サラリーマンの皆様であれば、一度はそんな経験、あるんじゃありませんか?もちろん、富山までのようなことはないでしょうけれど、終点まで行ってしまって、電車がないですとか。で、タクシーを拾おうとしたらほとんど来なかったり・・・・・悲哀ですよねえ。そんな風景が描かれているのです。まあ、お酒を飲むときには注意しましょうというレトリック・・・・・ではないでしょうけれど、その性質がないわけでもないでしょう。その点では、まさしくバッハ以来のクラシックの伝統を受け継いでいるとも言えるわけです。だからと言って単純にこの第4曲目は新古典主義であるとまでは言い切れませんが、かなり広いジャンルを彼らは念頭に置きながら楽曲を作っているのは様々な作品から明らかなので、もしかするとピアソラは念頭にあるかも知れません。

そして、最終曲は「西武〜秩父鉄道」。これはまだ名曲「レッドアロー」が生まれる前なのでファンの間ではそれほど面白くはないといわれる曲ですが、初めて聴かれる方にはそれなりに面白いかと思います。これも沿線の風景を織り込んでいまして、普通電車に乗っているつもりが、いつの間にかSL急行「パレオエクスプレス」に乗っているというもの。其れにしても、外国人が秩父夜祭に行くのではなかったのか・・・・・これも車内アナウンスが笑わせます。

サーヴィストラックとして、第1曲目の「大阪環状線」のカラオケが収録されていますが、歌う人いるんでしょうかねえ。もしかすると、大阪のファンの方は歌われるのかもしれません。ただ、カラオケにはなかなかスーパーベルズの楽曲がないことを考えますとありがたいのですが・・・・・少なくとも、私は歌えないですね〜。何せ、面白い車内アナウンスをやらないといけないので・・・・・いや、実は私は「鉄」ですので車内アナウンスは大の得意ではあるんですけどね。

全体的には、風景だけではなく通奏低音部がレールのつなぎ目を拾う音をしっかりと表現していますし、楽曲としても素晴らしい仕上がりになっています。そんな点も注目して聴きますと、特に「鉄」、つまり鉄道ファンの方は笑いが止まらないでしょう。



聴いているCD
スーパーベルズ モーターマンVol.2
モーターマン「大阪環状線
モーターマン「阪急神戸線
モーターマン「阪急京都線
モーターマン「終電上野発23:54分」
モーターマン「西武〜秩父鉄道
スーパーベルズ
(旧東芝EMI TOCX2002)



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