かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:バッハ 無伴奏チェロ組曲2

今回は先週風邪をひいたため、変則で水曜日にもマイ・コレのコーナーを持ってきまして、お休みの日である木曜日に「神奈川県立図書館所蔵CD」のコーナーを持ってくることとします。

で、今回のマイ・コレは、バッハの無伴奏チェロ組曲の2枚目です。鈴木秀美の演奏です。

無伴奏とは、チェロ独奏の意味であると昨日述べました。いうならば、ピアノソナタのチェロヴァージョンと考えていただくイメージです(これは正確性を欠きますが、そうイメージしていただくと分かり易いと思います)。

この2枚目には第3番と第2番、そして第6番が収録されていますが、演奏順で第2番よりも第3番が先に来ているのが面白い編集です。確かにこの順番では、第3番第1曲目プレリュードの開始の下降音形が印象的な効果をもたらしています。

そして、最後の第6番では別なチェロを使うという凝りようです。というのは、第6番は5弦のチェロ用の作品であり、本来4弦である現代のチェロでは演奏が難しいからです。

無伴奏チェロ組曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E4%BC%B4%E5%A5%8F%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AD%E7%B5%84%E6%9B%B2

チェロ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AD

確かに、現代のチェロだとかなりの超絶技巧になりそうです・・・・・一本少ないってことは、それだけ高音部は一本の弦で音を出すことになるからです。

この演奏では、第6番はチェロ・ピッコロという楽器で演奏されています。そのためか、超絶技巧ではない、軽さのなかにも落ち着いた演奏を聴くことができます。特にプレリュードはまるで狩の角笛のようです。

全体的に、バッハへのリスペクトが強く打ち出された上で、私たちにこの組曲の魅力を知ってほしいという演奏者の想いが切々と伝わってきます。

さて、最後にこの組曲全体の構成について触れておかないといけないでしょう。皆さんはお気づきになられましたか?6曲すべてが6曲から構成されていることに。

そう、3の倍数の6なんですね。それを6曲並べる・・・・・

世俗曲でありながら、この時代の西洋の美意識、特にキリスト教の影響下にある美意識に習った構成なのですね(実はしっかりとウィキには記述がありますが、気づかれましたか?)。この作品はケーテン時代の作品といわれていますが、確かに6という数字にこだわった作品が多いのはケーテン時代なので、新しい証拠が出ない限りは、恐らくそれで間違いないと思います。

やがてそれは古典派の時代で組曲風のもの、たとえばハイドンベートーヴェン弦楽四重奏曲で再び使われる数字ですが、そこには確実にバッハの影があります。大バッハ自身ではないのですが、その息子たちによってバッハの音楽は古典派においても受け継がれ、やがて古典派の時代にあった形で花開いていくのです。その頂点とも言うべき二つの作品が、モーツァルトのレクイエムであり、またベートーヴェン「第九」なのです。

その意味でも、無伴奏チェロ組曲は他のバッハの組曲と共に、音楽史上とても重要な曲だといえましょう。



ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009
無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008
無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012
鈴木秀美(チェロ)
(deutsche harmonia mundi BVCD1632-33)



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