今回のマイ・コレは、曽根麻矢子のバッハ・フランス組曲の2枚目です。
もう一度、フランス組曲がどんなものか、示しておきたいと思います。
フランス組曲 (バッハ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E7%B5%84%E6%9B%B2_(%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F)
けっして簡単な曲ではありません。技巧的に優しい曲ほどデリケートなので、取り扱いに注意が必要です。
それを曽根女史は、とても丁寧に扱っているにも関わらず、音楽にはメリハリがあり、静と動のコントラストが見事です。
前回も述べましたが、第4番と第5番は7楽章で、第6番は8楽章ですが、このCDでは9楽章になっていまして、曽根女史がスコアリーディングの結果、平均律クラヴィーア曲集第1巻のホ長調のと同じプレリュードを加えています。これはベーレンライターB版に加えられていることと、アルマンドが唐突に始まるためです。
その視点で聴いてみると、それほど唐突かなあという気もしますが、さりとて序奏があっても不自然ではないのです。もしかするとこれはバッハがあってもなくてもいいように作曲をしたという可能性があります。ただ、それが最初からだったかそれとも後からなのかまではわかりません。
3曲とも技巧的には優しくとも、繰り返し聴いても飽きないのは不思議です。チェンバロですからダイナミクスには欠けます。しかし、静と動のコントラストをしっかりとつけて弾けば、なんと各々味わい深い曲ばかりなのでしょう!
バッハの組曲や協奏曲というのはそんなものばかりが並んでおり、どれを聴いても失敗はないといってもいいでしょう。その中でも特に有名な作品というのは人を惹き付けてやみませんが、フランス組曲もそんな曲の一つだと思います。
3曲目の第6番はポロネーズが使われている点が珍しいのですが、そこだけに囚われてしまうとこの曲の素晴らしさは半減すると思います。簡単な旋律なのになぜこれだけ惹き付けるのだろうという点にこそ、この曲の魅力があると思います。
それに気づかせてくれたのがこの演奏です。もちろん、私自身も合唱曲で経験済みではあったわけですが、器楽でも同じなのだということを教えてくれたのがこの演奏なのです。
器楽やピアノが好きな人はもちろんなのですが、是非とも全国のアマチュア合唱団の方々にも聴いてほしい演奏です。音が少ないデリケートな曲はどう演奏すればいいのかの、一つの答えがここに提示されています。すでに中大混声は、実行していますよ・・・・・
聴いているCD
ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
フランス組曲第4番変ホ長調BWV815
フランス組曲第5番ト長調BWV816
フランス組曲第6番ホ長調BWV817
曽根麻矢子(チェンバロ)
(Erato WPCS-10601)
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