かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:玉置浩二 CAFE JAPAN

今日のマイ・コレは、玉置浩二の5枚目のアルバム「CAFE JAPAN」です。

このCDを買った動機は、このアルバムの3曲目「田園」が好きだからです。「田園」と言っても当然ベートーヴェンの田園との関係ではなく、その曲が主題歌だったドラマ「コーチ」の内容が好きで、そこに流れるこの「田園」がたまらなく素敵だったからです。

コーチ (テレビドラマ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)

もともと、私は彼が安全地帯のときから好きでした。歌唱力もさることながら、その存在感です。ジャンルがJ-POPあるいはロックであるにも関わらず、いわゆる昭和の歌手に共通する「聴けば分かる」という点です。

才能も豊かな方です。俳優としても一流です。

玉置浩二
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%89%E7%BD%AE%E6%B5%A9%E4%BA%8C#.E3.82.AA.E3.83.AA.E3.82.B8.E3.83.8A.E3.83.AB.E3.82.A2.E3.83.AB.E3.83.90.E3.83.A0

そんな彼が発信した5thアルバムは、一見しますと日常を描いているようで、かなりメッセージ性の強いものだと感じています。

まず、1曲目の「ファミリー」はのっけからメッセージ性が強いものです。家族の温かみとその大切さをゆったりと酒場を舞台にするという効果を使って歌い上げます。家族というよりはむしろ恋人と家族を作ろうって感じでしょうか?

2曲目「CAFE JAPAN」はテーマが「絆」。日本というコミュニティを「カフェ」になぞらえて、その大切さを歌い上げます。そのカフェはいいでしょ?と。

3曲目「田園」。これは前述しましたがフジテレビのドラマ「コーチ」の主題歌となった曲です。一生懸命であること、必死であること・・・・・それをロックで畳み掛けるようにつづってゆきます。この曲がドラマの重要な場面で出てきますと、泣けてきます。安全地帯のときからそうでしたが、彼はなんと優しく暖かく、しかし力強い曲を書くのでしょう。それが故に哀しみも内包する・・・・・まるで昨日ご紹介したバーバーの「弦楽のためのアダージョ」です。しかし、哀しいだけでは済まさない。そこから力強く立ち上がろうというものです。傷だらけになっても、前を向こう、と。

4曲目「ヘイ!ヘイ!」は歌詞を見ますと人生気軽に生きようよ!という感じですが・・・・・しかし、私はそうでもないぞと思っています。それは、歌詞の一部に彼女にちゃんと愛していないと殴られたというような歌詞があるんですね。これを見ますと、決してそんな甘美なことではなく、愛し合うということにまっすぐ向き合っているか?という問いかけのように思うのです。

5曲目「STAR」は愛しあう2人が夜空を見上げるという内容。とてもロマンティックな歌詞です。つまり、かなりストレート。しかしそれを星空を見上げるというシーンにしているんですね。詩人ですね〜。

6曲目「SPECIAL」は、人生を大事に生きよう!という「生へのメッセージ」。一度きりの人生だから、それは特別なもの。大事に生きようぜ!という歌です。

7曲目「フラッグ」は労働歌。しかしそれは様々な「労働」に対して歌われています。そしてそのことが「自由」へとつながるんだという歌詞です。この曲も確かドラマ「コーチ」のなかで使われていたと記憶しています。フラッグとははたして労働組合の「赤旗」か、それとも自由へのむしろ幡か・・・・・

8曲目「HoneyBee」は「大人」の歌。つまりは・・・・・行為、なのです。そう、三文字です。これ以上は・・・・・かなり行為の状況を直接的に歌っているので。もちろん、かなり比喩を使っていますが。しかし、彼がそんな歌詞の曲を入れたのは、このアルバムのテクストから言いますと、家族ということに直結するのだと思います。行為をせずして子供は生まれないし、家族が出来上がるわけもない。そして親としての責任感もできるわけもない・・・・・私はそう受け取っています。この辺りはわたしはモーツァルトとオーヴァーラップします。強烈なロックンロールです。

9曲目「愛を伝えて」は前の曲から一転、優しさにあふれた曲です。優しすぎて涙が出てくるくらいです。星の数ほど愛を尽くそう、という歌です。

10曲目「あの時代に・・・・・」は青春を懐かしみながら、愛を語っています。単なる懐かしものずきではなくそれはリアルへとつながっています。転調がとても素敵で、ハイドン的です。それ故とても温かい曲です。この曲も確かドラマ「コーチ」で使われていたように思います。

11曲目「メロディー」はとても切ない、そして哀しいのになぜか温かい曲です。愛というよりも「大切なひと」を包み込む「慈愛」という言葉のほうがしっくりくるでしょう。それをとうとうと歌い上げます。アルバムの最後の曲にふさわしい、素敵な曲です。

かなりメッセージ性が強いのに、これほど慈愛に満ちている音楽を私はクラシック以外では知りません。つまり、このアルバムはベートーヴェンモーツァルト、あるいはハイドンといったクラシックの大作曲家の音楽が持つ「慈愛」に引けを取らないものなのです。確かに一見しますと芸術性という意味では劣るかもしれません。しかしその歌詞と音楽が持つ精神性は、私は引けを取らないと思っています。

「田園」で感じたその点こそ、このアルバムを買う最大の動機だったのですから・・・・・

玉置浩二が放つ「現代の第九」かもしれません。



聴いているCD
玉置浩二 CAFE JAPAN
(ソニーミュージックエンタテイメント SRCL 3302)



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