今回の友人提供音源は、マリス・ヤンソンス指揮、ピッツバーグ交響楽団の演奏です。曲はチャイコフスキーの4番とバルトークの弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽(略称「弦チェレ」。以後、この名称を使います)です。
チャイコなのと、一度バルトークをお試しあれ、ということでいただいたのがこの音源なのですが、それよりも、ピッツバーグというアメリカでもそれほどメジャーではないオケの演奏を聴く機会なんてそうある話ではありません。そっちのほうが強かったように思います。
アメリカオケって、あまり人気がないですが、こう聴いてみますととても実力があるなあと思います。日本のように国家がお金を出しているわけではないのになぜなのだろうと思いますと、やっぱりそこには地方と民間で支える仕組みが出来上がっていることに気が付かされます。
ここが、日本とアメリカの国力の差だと思っています。そこを理解して事業仕訳などで民主党を批判している人のなんて少ないことか・・・・・この演奏を聴きますと、嘆きでため息が出ます。
演奏が素晴らしすぎて、そしてこれが日本では実現が難しいがゆえに、もう嘆息しか出ないのです。
いや、日本のオケだって実力あるんです。それを時代が変化している中でどうやって維持・発展させるのか・・・・・考えてしまいます。
pとfの切り替えの早さ、それによる表現力の豊かさ。アインザッツ、アンサンブル、ともに素晴らしく、申し分ないです。こんな演奏に触れられるピッツバーグ市民が私はうらやましくてなりません。
特にそれを感じるのが弦チェレなんです。前から述べていますが、バルトークは私が苦手とする作曲家ですが、この弦チェレに関してはさすがにその素晴らしさに感銘を受けざるを得ません。不協和音が支配する前半、リズム重視になる後半。カンタービレがない分表現力が問われる作品ですが、それをきちんと演奏しきるピッツバーグ響は素晴らしいですね。
聴いている音源
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
交響曲第4番ヘ短調作品36
バルトーク・ベラ作曲
弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽Sz.106 BB114
マリス・ヤンソンス指揮
ピッツバーグ交響楽団