かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:川崎でバッハ

先日、所要があってJR南武線に乗る機会がありまして、溝の口駅からペデストリアン・デッキを歩いて武蔵溝ノ口駅へ向かって歩いていましたら、ふと高津区案内板に気になる掲示を見つけました。

川崎市合唱連盟合唱団アニモ 団員募集! バッハ ロ短調ミサを歌いましょう」

おお、ついにあそこはロ短調ミサを歌うのか・・・・・

その隣には、地元のアマチュアオケの定期演奏会掲示もあって、気なる情報ばかりだったのですが、その中でもとくに印象に残ったのがこの掲示でした。

実は、私はこの合唱団でかつて歌ったことがあるのです。まだ広く団員を募集せず、合唱連盟傘下の合唱団で団員が構成されていた時代に。

そのときは特に一曲と決めず、いろんな曲をオケと一緒に歌うという形式でした。当時は神奈川フィル。掲示の演奏会では、東京交響楽団ミューザ川崎フランチャイズにしています)とです。

この合唱団は、実は川崎市合唱連盟がその傘下の合唱団に必ずしもオーケストラと歌う機会がない団体もあったことを鑑み、企画した一過性のものでした。それが、毎年恒例となっていったため、ついに「アニモ」という名前を付け、曲目ごとに参加者を募るという団体へと変化してゆきました。

今でも、川崎市合唱連盟が冠につくのですから、主体は合唱連盟傘下の合唱団で構成されているのでしょうが、それをさらに広く募集するようになったということは、この合唱団が既に認知されているということを示します。と同時に、恐らく連盟としては連盟傘下以外の市内各団体へ広く参加を呼びかけているものと思います。

以前、私が以前いた合唱団がコーラルフェストに参加した時の音源をご紹介したと思いますが、いわばコーラルフェストのような形だったのです。それを、合唱まつりの形式に広げた、ということがいえるかと思います。それは恐らく、県立多摩高校(合唱部は連盟傘下です)卒業生を取り込むことを意識しているものと推測されます。

特に、バッハのミサ曲ロ短調です。大勢いればいいというものでもありませんが、大勢いればその分上手に歌える人が増える可能性は大いにあります。

特に難しいのは音の上がり下がりの部分で、そこで「H」をいれずに歌えることができるか、その経験はどれだけあるのかが問われる曲でもあります。私の経験上、残念ながら連盟傘下の団体ではバッハを歌える団体はほとんどないでしょう。アマチュアの合唱と言えば現代日本人作品かルネサンスが主流。しかし、それとバロックとでは実は発声がかなり違ってきます。

そこの部分の経験が、特に重要なのです。コールユーブンゲンなどの練習が必須となりますので、その部分の練習内容が全く違ってくるのです。

それは実は、ヨーロッパの合唱団と同じ基礎的な部分が必要になってくるということでもあります。私が以前いた合唱団では、実は発声練習としてコラールを毎回歌っていました。少なくとそれくらいをやらないと、この曲は歌いきれないでしょう。

そして、優秀な練習識者。ある合唱団(実は、その私がいた合唱団なのです!)では、音楽監督バロック音楽の素養がなかったためにバッハは挫折したほど、実はバッハは指揮者でも振るのが難しい曲です。きちんと素養がある練習指揮者を迎えることができるのかでも違ってくるでしょう。

バッハはどんな小さな曲でも、たかがバッハ、されどバッハです。私は恐らく参加できませんが、本番は聴きに行きたいなと思っています。この曲をどこまで歌いきることができるのか・・・・・楽しみです。