かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:菊池桃子「エスケープ・フローム・ディメンジョン」

毎週、月曜日と火曜日の「マイ・コレクション」、今回は往年のアイドルと20世紀の管弦楽という全く別な二つの作品を取上げます。まず、月曜日の今回は往年のアイドル、菊池桃子の4THアルバム、「エスケープ・フローム・ディメンジョン」です。

私の高校時代、音楽的にはクラシックか菊池桃子で占められていた、といっても過言ではないと思います。そんな中、彼女のアルバム購入の最後となったのがこのアルバムでした。確か、菊池桃子名義で最後のアルバムかと記憶しています。

タイトルを日本語に訳そうとしてみましたら、これが結構大変なことであることが調べてみましたらわかりました。dimensionとは、寸法、大きさ、次元などという意味があります。そこからの逃避って、一体、何?

恐らく、彼女の次のステージを意味しているのだと思います。実際、彼女はこのあとロックへと転身しますが、それが全く不人気で・・・・・実際、私も買いませんでした。ですから、このアルバムが最後の購入となったわけです。以来、ベスト盤以外彼女のCDは買っていません。

各曲は林哲司プロデュース・作曲ですから悪かろうはずがありません。ただ、このアルバムではヒット曲がたった一つしか入っていないという、彼女の人気が確実に落ちてきていることの証明にもなってしまいました。その1曲とは、「Say Yes!」(チャゲ・アスでもありましたが、それとは違う曲です)。この曲は好きでした。ポジティヴで、明るく、聴いているだけで楽しい曲です。歌詞もポジティヴですし。

ちょうど、彼女が高校を卒業するあたりの作品で、青春アイドル菊池桃子の集大成と言ってもいいアルバムだと思います。歌も過去のアルバム中一番上手ですし、今聴きましても今のアイドルと全く遜色ありません。

いや、歌唱力だけなら今のアイドルの方が上手かもしれません。しかし、清潔感とひたむきさは、もしかすると彼女のほうが上かもしれません。

過去のアルバムでは、彼女の趣味でもあったダイビングがテーマになった曲が多かったのですが、このアルバムではラヴ・バラードも入るという、確かに今までの彼女の「殻」を破ろうとする意識が充分感じられます。大人の曲が多く入ったということから言いますと、確かに違う「次元」へ彼女が向かっていると言ってもいいのではと思います。

それにしても、今聴きましても古臭くないですね。最近のアイドルの曲を聴いていないので何ともいえませんが、今誰かがリメイクしても、全く問題ないのではと思います。ただ、彼女のようにひたむきな姿勢を持って歌えるかはわかりませんが・・・・・

前にも述べましたが、その最右翼は私は新垣結衣ではないかと思っています。彼女ほど清潔感があり、なおかつひたむきさがある歌手はアイドルと言われている人たちの中ではいません。しかも、彼女ならこの時代の菊池桃子よりは確実に歌唱力があるでしょう。しかも、10代への人気も確実にありますし。

え、ベッキーはって?うーん、私は彼女大好きですが・・・・・やはり、世界観が違うように思います。やはり、ガッキーじゃないとだめじゃないでしょうか。

それだけ、菊池桃子は実は強烈な個性を持っていた、ということになるかと思います。当時は個性がないといわれましたが・・・・・

ファンだったから言うわけではありませんが、彼女は確実に自分の世界をもっていました。そして、それを大事にしつつ、それ以外の世界も模索したタレントでもありました。だからこそ、今女優として活躍できているのだと、私は思います。今はむしろ主婦としての役割のほうが強いのかな?

勿論、このCDは今廃盤でしょうが、もし機会があればこの時代のアイドルの音楽を一度聴いてみてください。意外な発見がいくつもあるかと思います。



聴いているCD
菊池桃子エスケープ・フローム・ディメンジョン」
(VAP 80036-32)