かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第2番ト長調作品18-2

今日は、ベートーヴェンの弦四シリーズ第2回目。弦楽四重奏曲第2番を取上げます。

この曲は実は三番目の弦四になります。順番としましては、第3番、第1番(つまり、前回のは2番目ですね)、そして第2番となります。

ここまでは作品にあまり完成度の差を感じません。どちらかと言いますと、私はこの第2番を聴きますと、第1番よりは前時代的な雰囲気を感じてしまいますね。しかし、だからと言って古臭いのかと言えば、そうではないです。

とても明るい曲ですね。考えてみれば、ピアノソナタは最初は短調でした。しかし、弦四はここまであまり暗い曲がありません。弦四が人間関係を表現しているのなら、ここまではベートーヴェンは人生において順風満帆であることを示します。

特に、この第2番は全曲明るく、和やかな雰囲気を感じます。

形式を見てみますと、弦四の場合、この作品18が終わるまではあまり冒険をしません。弦楽四重奏曲は基本的に4楽章ですが、ここまでは全て4楽章です。というより、これから順に述べてゆきますが、作品18は全て4楽章です。これはピアノソナタとは違います。

ピアノソナタは早い段階で形式的な冒険をしています。しかし、弦四はなかなか冒険をしません。冒険をするのは、この作品18が終わってからで、傑作の森である中期の作品に入ってからです。この弦楽四重奏曲というジャンルをベートーヴェンがかなり重要視していたことがわかる数量調査だと思います。

冒険するまでの作品をすべて18番でまとめたのだとしますと、ベートーヴェンはこの作品群を自分の弦楽四重奏曲の基礎であると宣言したようにも見えて、彼の意思を感じることができるように思います。

ウィキペディアによりますと、この曲は「挨拶」というあだ名で呼ばれることがあるそうで、そういえば第1楽章はそう聴こえなくはありません。考えてみれば、そういう掛け合いが室内楽の魅力でもあるわけで、この曲はまさしく室内楽!という曲であるなあと思います。