今日は、ピアノソナタ第25番です。第1楽章の曲想から「かっこう」という標題がつくこともあります。
何より驚くのは、曲が短い!え、もう終わり?って感じです。それでも初期の作品に比べると長いのですが・・・・・
恐らく、その短さを驚きをもって迎えるということは、それだけ曲の内容が濃いことを意味しているのではないかという気がします。
私が聴いている山根弥生子さんの演奏は、iTunesで聴いていますと、以下の通りの時間表示になります。
第1楽章:4分38秒
第2楽章:2分42秒
第3楽章:2分2秒
合計で9分ちょっとです。
実際、この曲は「ソナチネ(小さいソナタの意)」といわれているだけあって、短いです。しかし、その中でも重厚さと気品があり、その上でかわいらしい作品に仕上がっています。
形式的には三楽章形式と、あまり冒険はしていません。それはもしかするとソナチネというこの曲の性質によるものなのかもしれません。
華々しさはないですが、とても美しくてかわいい曲です。朝の目覚めにぴったりかも知れません。
ただ、注目すべき点が1点。それは、この曲あたりからベートーヴェンが愛国心を意識するということです。実際、この25番の第1楽章は「ドイツ風に」という指定がついています。そして、その「指定」は次のピアノソナタではもっとはっきりとした形となって現れてくるのです。
それにつきましては、また次回に。