かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

ベートーヴェン ピアノソナタ第9番ホ長調作品14-1、第10番ト長調作品14-2

今日は第9番と第10番の二つを取上げます。なぜなら、共に作品14だからです。

この二つがなぜ作品14としてまとめられたのかは、少なくともウィキペディアを参照してみた限りではわかりません。ただ、通して聴いて見ますと、ともに長調であるがゆえに、ひとつの作品かのように聴こえます。ただ、第10番の第1楽章ははっきりと違いが聞き取れますので、もともと楽想は別に成立したものと思います。実際、成立年は異なりますし(第9番が1798年、第10番が1799年)。

第9番に関しましては、後に弦楽四重奏曲に編曲されている(弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess 34)とのことなので、機会があれば是非聴いてみたいと思います。これはかなり時間を要すると思いますが・・・・・・

ただ、先日mixi上のコミュ「クラシック同時鑑賞会」にて、交響曲第2番をベートーヴェンが編曲したピアノ三重奏曲ピアノ三重奏曲 ニ長調 Biamonti 425)を聴きまして、ベートーヴェンの編曲能力の高さに触れまして、もし第9番の弦四編曲があるのであれば、聴いてみたいとぜひとも思っております。それをご紹介するまでには、かなりの年月を要することになると思いますので、気長に待っていてくださいね。

どちらものんびりとしていて、落ち着く曲ですが、特に第一楽章は共にベートーヴェンらしい転調が見受けられ、明るく伸びやかな部分だけではない一面を覗かせています。特に第10番は夫婦の会話を描写いているといわれているだけあって、聴いていて飽きないですし、10番の第3楽章は「ヘミオラ」というリズムで構成されており、ウィキペディアではシューマンがピアノ協奏曲第3楽章で使っているとかかれていますが、シューマンより自然に聴こえます。

ひとつだけ聴いてしまうと平凡な曲と見られがちだと思うのですが、こうやって2曲同時に聴いてみますと、どうしてどうして、びっくり箱がたくさんあって、何度聴いても飽きが来ません。このあたりさすが楽聖という気がします。

聴いていてふと思いましたのは、上で述べましたが、9番が弦楽四重奏に編曲されているということです。もしかすると、この曲は弦楽四重奏の着想の元、そもそも作曲されたのではないかということです。もちろん、根拠などありません。しかし、確かに室内楽的ですし、また第10番は編曲こそされていないものの、第1楽章が会話をしているかのように聴こえるのは確かなので、それを例えばヴァイオリンとヴィオラに担当させ、さらに通奏低音を加えれば弦楽四重奏曲になりますから、それを念頭に作曲したのでは?と思うくらいの内容ではあるのです。

ベートーヴェンは作曲するときはフォルテピアノでしたし、その上で頭の中で考えをめぐらし、スケッチにまとめていました。となると、このピアノソナタがもともと編曲を念頭に入れて作曲されてもおかしくはないのです。モーツァルトなどはそういうことはよくあることですし(オーボエ協奏曲を移調しただけでフルート協奏曲第2番にしたのは超有名です)、ベートーヴェンでも行われてもおかしくはないと思います。このあたりは、事典を買うなり、さらに調べたりしたいなと思います。