かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:ネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団によるメンデルスゾーン交響曲全集1

東京の図書館から、今回から3回シリーズにて、府中市立図書館のライブラリである、ヤニック・ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団によるメンデルスゾーン交響曲全集を取り上げます。

ヤニック・ネゼ=セガンはカナダの指揮者です。近年世界の様々なオーケスラを指揮する実力派です。

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そんな中、室内管弦楽団としても近年名を挙げてきているヨーロッパ室内管弦楽団とのコラボで、メンデルスゾーン交響曲を振るというのは意欲的だと思います。なおレーベルはドイツ・グラモフォン。ヨーロッパ室内管弦楽団クラウディオ・アバドが設立した室内管弦楽団であるということでだと思います。そのヨーロッパ室内管弦楽団もまた、非常に実力のあるオーケストラで、私も注目しているオーケストラの一つです。

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音楽監督を置いていませんが、室内管弦楽団らしいはつらつとした演奏が魅力ですが、このメンデルスゾーンでもそのパフォーマンスをいかんなく発揮しています。まず今回は第1集、第1番と第3番が収録されています。なおこの全集は3枚組です。

メンデルスゾーン 交響曲第1番
メンデルスゾーン交響曲第1番は1824年に作曲された、メンデルスゾーン最初の交響曲・・・と言いたいところですが、正確には管弦楽のための最初のと言うべき作品です。それ以前に弦楽交響曲を作曲しておりそれから数えると13番目の交響曲になりますが、通常は弦楽のための交響曲は別建てにすることが多いので、大抵はメンデルスゾーン最初の交響曲と紹介されることが多い作品です。

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1824年というタイミングは、実はまだベートーヴェンが生きていた時代ということなのです。それを意識しているのか、ネゼ=セガンはテンポとして多少速めを選択しています。さらには八分音符を多少弾ませています。そのことで溌剌さが生まれ生命力を感じる演奏になっています。

私はリッピング後PCに於いてTune Browserで192kHz/32bitにリサンプリング再生して聴いていますが、第1楽章では各楽器がしっかり聴こえてくるんです。これはネゼ=セガンが室内管弦楽団というオーケストラの特徴をうまく引き出した結果だと感じます。作品が片足を古典派に突っ込んでいるということもあるのかもしれませんが、実際にはほぼロマン派の作品です。ですが古典派からロマン派へと移る時代でもあることを考慮した結果、ロマン派の作品であってもまるで古典派の作品のような形式美と生命力が生まれたと言っていいでしょうし、オーケストラの持つ特徴を活用することで魂を引き出したとも言えます。こういう演奏はいいですね~。

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド
メンデルスゾーン交響曲第3番は、1830~1842年に作曲された作品で、「スコットランド」という表題が与えられています。メンデルスゾーンスコットランドを旅行中に着想を得たことで名付けられていますがメンデルスゾーン本人がつけたものではなく後世に付けられたものです。

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なお、この「スコットランド」はメンデルスゾーン最後の交響曲で、出版の都合上第3番が付けられただけです。つまり、管弦楽のための、最初と最後の交響曲カップリングさせているということになります。演奏時間の都合上こうなることが多いですが、この二つをカップリングさせることで、ネゼ=セガンは二つを明らかに対比させています。この第3番ではゆったりとしたテンポで第1楽章は入っています。ですがリズム感はしっかり感じさせる演奏になっているため、テンポ程の冗長感を感じさせずむしろ生命力を感じるものになっています。

そして、この第3番のテンポは明らかに、第1番と対比させていると言えます。第1番は1824年と古典派と言ってもいい時期ですが、この第3番は完成が1842年で18年の時間が経っていることもありますがそもそもそれだけ時間が経ちますと完全に音楽運動としては前期ロマン派です。その対比を明らかにつけているわけです。

ですが通常だと第3番においてはゆったりとしたテンポはべったりになってしまう危険性もあるところを、音の切り方や減の使い方などで工夫して生命力を表現することに成功しています。それは室内管弦楽団だからこそ各パートがしっかり弾かねばならないことを利用した演奏だと言えます。前期ロマン派だとオーケストラの編成も巨大とまではいかないので室内管弦楽団でも十分演奏できるというメリットも生かしていると言えましょう。一方でそれは現代オーケストラの成長をも意味しています。かつてはある程度の大きな編成が必要だったものをいまでは室内管弦楽団でも普通に演奏できるだけ演奏者個々の実力も上がっているわけなので。ベートーヴェンの第九もアマチュアでも室内管弦楽団が演奏する時代です。メンデルスゾーンならばプロは当然素晴らしい演奏をしてしまうという、典型的な演奏になっています。これもまた素晴らしい点です。

こうなると、次の曲も期待できます。その次の曲が、「讃歌」なのです・・・

 


聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ作曲
交響曲第1番ハ短調作品11
交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド
ヤニック・ネゼ=セガン指揮
ヨーロッパ室内管弦楽団

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