東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリである、関西フィル・ライヴシリーズⅡを取り上げます。
関西フィルハーモニー管弦楽団は大阪を拠点とするプロオーケストラです。
これまで、このブログでも大阪フィルや日本センチュリー交響楽団を取り上げて来たりしていますが、今回は関西フィルハーモニー管弦楽団です。しかも、指揮者はこのブログでも何度か取り上げている藤岡幸夫。私が藤岡氏と共演経験があることは以前述べているかと思います。
その藤岡さんが現在音楽監督を務める関西フィルハーモニー管弦楽団を引っ提げてアルバムを収録したとなれば、そりゃあ借りないという選択肢はありません。なお、藤岡さんと関西フィルのアルバムは以前「神奈川県立図書館所蔵CD」のコーナーで取り上げております。この時も勿論、指揮が藤岡さんということも選択理由の一つでした。
上記エントリで、私はこのように述べています。
「関西フィルは、大フィルに隠れてあまり有名ではない側面もありますがかなり堅実なオケだと、聴く範囲では思います。特にこの3曲は藤岡「さん」が振っているので、こりゃあ、ロケンローするな~と思いつつ聴いています。藤岡幸夫という指揮者だからこその、作品の魅力が引き出されたのかもしれません。」
下記ウィキペディアでは藤岡さんはトスカニーニ信者と記載がありますが、ミュンシュも藤岡さんの好きな指揮者の一人で、まさに私が最初に第九を歌った公演の練習後の飲み会で「こんな演奏がしたいんです」と聞かせていただいたのがミュンシュです。言うなれば藤岡さんはトスカニーニを入り口にして20世紀前半のいわゆる「巨匠」に憧れたと言っていいでしょう。その点では若干私とはスタンスが違いますが、結果的に生き生きとした演奏が好きなのはこの年になって同じになっています。
その藤岡さんが、シベリウスを振るという・・・熱き藤岡さんがどんなタクトを振ってオーケストラに歌わせるか、聴く前からワクワクが止まりませんでしたが、予想通り「ロケンロー」してくれています。
第1曲目の「フィンランディア」からエンジン全開フルスロットル。切れば血が出るかの情熱的な演奏で聴衆をぐいぐい引き込みます。讃歌の部分は美しい・・・まるでわた(以下自己規制)
それは次の曲に突入しても変わりないどころかむしろヒートアップ。そりゃあ、その曲は同じシベリウスの交響曲第2番ですから・・・
全体的に荒々しさと美しさが同居する、力強くかつしなやかな演奏になっています。関西フィルを存分に歌わせつつも烈しさもある演奏にするのはさすが藤岡さんだと思います。藤岡さん「らしさ」が存分に出ている演奏です。また、その下手すれば対立する概念を演奏で同居させる関西フィルの実力の高さも光ります。
最後のエルガーの夕べの歌も、美しく壮大さを感じるものになっています。北欧の作品もものともせずオーケストラに歌わせるのはロマンチスト藤岡さんだなあと思います。
ホールは大阪いずみホール。近年は日本センチュリー交響楽団も使っている優れた音響を持つホールです。関西フィルは近年大阪いずみホール(現住友生命いずみホール)をあまり使っていないようです。ただこのホールは確かテレマン室内管弦楽団が使っているかと思います。
残響も素晴らしいですがとにかく音が暖かく感じます。その暖かさを烈しさをもって演奏することで魂を通わせるのは藤岡マジックと言っていいかもしれません。海外オケも振っている藤岡さんだからこそ、素晴らしいホールでオーケストラのポテンシャルを弾き出すことに成功していると言えましょう。
実は関西フィルは、昨年から年末の第九を聴きに行きたいと考えているオーケストラの一つです。特に関西フィルはいわゆる市民第九と共演しての演奏会にも参加しており指揮が藤岡さんというケースもあります。昨年は京都の城陽市での第九があり私も計画しましたがちょうど東大寺の執金剛神開扉と重なってしまい断念。今年はと言えば、実は来月に神戸を予定しているため予算オーバーで年末は関東のみとなる予定です。残念・・・いつか藤岡さんと関西フィルが演奏するベートーヴェンの第九を関西まで聴きに行くのが夢です。このシベリウスを聴きますとますますその想いが強くなっています。
聴いている音源
関西フィル・ライヴシリーズⅡ
ジャン・シベリウス作曲
交響詩「フィンランディア」作品26
交響曲第2番ニ長調作品43
エドワルド・エルガー作曲
夕べの歌~2つの小品作品15より
藤岡幸夫指揮
関西フィルハーモニー管弦楽団
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