コンサート雑感、今回は令和7(2025)年8月24日に聴きに行きました、カラー・フィルハーモニック・オーケストラさんの第27回演奏会のレビューです。
カラー・フィルハーモニック・オーケストラさんは東京のアマチュアオーケストラです。基本は年2回の定期演奏会で、うち1回は最近は横浜みなとみらいホールで行っています。
https://colorphil.jimdofree.com/
前回第26回は他の団体とバッティングしたため断念、なので今回は必ず足を運ぼうと思っていました。会場は杉並公会堂大ホール。あれ?前日も杉並公会堂大ホールに行っていませんでしたかと言う、ア・ナ・タ。そーなんです。何と二日連続で杉並公会堂大ホールということになりました。まあこういう時もあります。さらに今回珍しく夜公演。なのでてっきり昼かと思って行ったら他の公演が・・・一度家に帰って出直しました。
このカラー・フィルハーモニック・オーケストラさんはこのブログでも何度も取り上げている団体ですが、とにかくアマチュア離れしたその実力が魅力です。やせた弦の音はなく表現力も豊か。前日足を運んだOrchestra HALさんと並び私の中ではトップレベルと判断している団体です。
今回のプログラムは以下の通りです。アンコールはありませんでした。
①ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
②ブルックナー 交響曲第7番
二つともロマン派ですが前期と後期という二つを並べてきたことになります。またブルックナーということで古典的なクラシックファンも楽しめる内容となっています。そのせいか会場は多少平均年齢は高めでした。
①ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
ウェーバーの歌劇「オベロン」は1826年に完成・初演されたオペラで、ウェーバー最後のオペラでもあります。ちょうどウェーバーが帰国するという時にロンドンで客死したためです。
初演の失敗から上演機会は少ないようですが、序曲はアマチュアオーケストラ定番のコンサートピースになっていると感じます。オペラから旋律を採用した形で特に奇をてらった作品ではありませんが、作品の特徴であるパッチワークのような世界が生き生きと表現されているのが素晴らしい曲で、その生命力に演奏は最大限共感していました。ウィキペディアの説明を読めば様々錯そうするのは当たり前でそれが作品の生命であるわけなんですが、そこに注目する指揮者が少ないのかなという印象は持ちます。ある意味ドタバタ劇でもあり、そのドタバタを楽しめるか否かで評価は分かれそうです。ウェーバーの美しい旋律で彩られているのでつい統合された美しさを求めがちなのですが、そもそもロマン派という音楽運動とは何か?と考えれば答えは出ると個人的には考えます。
そのあたり、指揮者の金山さんは踏まえているため、演奏は生き生きとしていたように思われます。舞台にあがっている人たちが最大限楽しんでいるのですよね~。ロマン派という音楽運動は、古典派のように外形的な美しさを追及するのではなく形式を重視しながらもそこに自らの思想や想いを注ぎ込むという運動です。ゆえに外形的な美しさに囚われると作品の本質を見失うように思います。その点をアマチュアがしっかりやっていることこそ、カラー・フィルハーモニック・オーケストラさんのレベルの高さなのです。
②ブルックナー 交響曲第7番
ブルックナーの交響曲第7番は、1883年に完成された作品です。ブルックナーが敬愛していたワーグナーの死を予感しながら書いたという作品で、実際の訃報に接し第2楽章にワーグナーへの想いを書き加えられた作品です。版は基本ハース版とノヴァーク版のふたつがありますが、今回は第2楽章に打楽器が入っているためノヴァーク版が採用されました。
ここで、今回の裏テーマがはっきりします。それは「死」です。ウェーバーの「オベロン」はウェーバーの最後のオペラ、そしてブルックナーの交響曲第7番はワーグナーの死をきっかけにということで、二つの作品は何等か死が関係しているということになります。その意味では、隠然と終戦から80年目の8月という時期を意識したプログラムだったと思います。ならば、アンコールなど必要ないのも当然だと言えるでしょう。
特にこのブルックナー第7番においては、強弱がはっきりとついていて、目をつぶって聴いていればどこのプロオケなのかと知らない人であれば錯覚するくらいの演奏でした。それは明らかに気持ちが入っていることを意味します。ブルックナーの第7番の方が感情移入はしやすいということもあるかと思います。ティンパニは硬くぶっ叩いてくれて私好みですし。まるで目覚まし時計のよう。でも美しい・・・まるでわ(以下自己規制)
どの楽章においてもまるで心臓の鼓動のように響いてくるのも素晴らしい!表現力も豊かで、ブルックナー終止よりもその表現力のほうにほれぼれします。勿論ブルックナー終止の表現も抜群なのですが、それもまた杉並公会堂大ホールという場所をしっかり自分たちの楽器のように使えている故でしょう。特にカラー・フィルハーモニック・オーケストラさんは後期ロマン派の作品の演奏で私は高評価をしていますがまさに自家薬籠中の物として演奏しているのがまたいいんですよね~
こういうアマチュアオーケストラは増えてきているとはいえ、やはりその中でもカラー・フィルハーモニック・オーケストラさんはずば抜けていると感じます。前回第26回は確かバッハの演奏があったのでスルーせざるを得ませんでしたが、本来はスルーしたくはない団体の一つです。今回は無事足を運べてよかったです。ただ時間を間違ったことで私自身も反省材料をもらいました。次回は何と!10月13日と2か月後。アマチュアでそのインターバルで演奏するって都民響さんなみ・・・しかも、ブルッフのヴァイオリン協奏曲とドヴォルザークのチェロ協奏曲でどちらも海外のソリストを迎えるとのこと。そしてホールはまた杉並公会堂大ホール。それ以外にも曲がありそうなので、次回はしっかりと19時からとインプットしておこうと思います。実はすでに前日10月12日がはしごが決定しているのですが、当日もまたコンサートはしごという形になりそうです。京都と神戸に行く予定もあるのでどれだけ予定を入れられるかわかりませんが(その分チケット代と交通費がかかるため)、カラー・フィルハーモニック・オーケストラさんのイベントは是非とも足を運びたく思います。
聴いて来たコンサート
カラー・フィルハーモニック・オーケストラ第27回演奏会
カール・マリア・フォン・ウェーバー作曲
歌劇「オベロン」序曲
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第7番ホ長調WAB107
金山隆夫指揮
カラー・フィルハーモニック・オーケストラ
令和7(2025)年8月24日、東京、杉並、杉並公会堂大ホール
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