かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ジュリーニとロンドン交響楽団によるベートーヴェンの第九他

今月のお買いもの、令和7(2025)年7月に購入したものをご紹介します。カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン交響楽団他によるベートーヴェン交響曲第9番と第8番のアルバムです。エグモントもカップリングされていますがこれはオーケストラはニュー・フィルハーモニア管弦楽団が担当しています。レーベルはワーナー・クラシックス。Qobuzダウンロードサイトでの購入、ハイレゾflac192kHz/24bitです。

これは以前SACDでも販売されていたものですが、このアルバムは何と配信のみの商品だそうです。確かに・・・と言うのは、CDであれば2枚分であり実際SACDのものは2枚に分かれていますがこれはハイレゾflacなので一つとしてDLしています。しかも、曲順は何と、第9が先で第8番が後なんです・・・

wmg.jp

この曲順をCDでとなるといろいろ組み合わせはありますが、ジュリーニが第九で採用したテンポはかなりどっしりで、第九だけでおそらく71分は超えます。しかも録音時期は1972年。なので第九の第3楽章までを1枚目、第九の第4楽章と第8番、エグモントを2枚目にしないと難しいかと思います。第九だけを1枚目にしてもギリギリ何とかはなるでしょうが・・・

ということなので、配信のみというのは適切な判断だと思いますし、配信のみだからこそ番号順ではなく第9を最初に持ってきてカップリングとして第8番とエグモントを入れたということになっているのだと思います。ならではですね。ちなみにSACDでは第8番を一枚目、第九を2枚目にしています。

さて、すでにSACDで出ているものをエグモントまで加えて再販する意味は何か、です。検索すると第九の演奏はいろんな形で過去に販売されており複数ヒットします。ですがこのアルバムは実は2025年にデジタルリマスターしたものなんです。それは録音年代を見れば明らかでおそらくこの文章に来る前にピン!と来ていた方もいらっしゃるかと思います。1972年の録音なのにflac192kHz/24bitっておかしいと思いますから。明かにデジタルリマスターなんですね。

でも、そのデジタルリマスターのおかげで音質は極めていいです。さらに私の場合、PCに於いてTune Browserでリサンプリング再生しているということも大きいでしょう。とはいえ私の設定は192kHz/24bitのものはリサンプリング再生しないという設定なのであくまでもPCそしてスピーカーであるソニーのSRS-HG10のアンプのおかげでいい音質で聴けているという側面が大きいのですが、とにかくTune Browserだといい音で鳴ってくれますのでその恩恵も大きいです。

かつてCD全盛期でもデジタルリマスターはもてはやされすでに録音を持っている人も新たに買うという人もコアなクラシックファンではいましたが、私はそれにはあまり乗らなかった人です。なぜならそれだけの金銭的余裕がないことと古い録音ではなくすでに新しい録音を選んでいた世代だからです。しかもどんなにリマスターしたとしても、CDはデータ的に44.1kHz/16bit。それをいい音で鳴らすには正直物凄く高いお金を出していいオーディオを揃えないと難しいので、正直個人的にそれほど食指が動かなかったのです。

ですが時代は変わり、デジタル音源を直接販売するという時代になりました。それがダウンロードなのかストリーミングサービスなのかの違いだけで本質はデジタル音楽ファイルを直接再生するということに変わりありません。ゆえにデジタルリマスターによる違いを味わうのには最適の環境が整い、かつ安価で楽しめ時代がやってきたということになります。

ですが最初デジタルリマスターなのかは正直疑問で、とりあえず買ったというのが正直なところです。後で調べてみたらデジタルリマスターだったということ。でもそれはそれでうれしいことで、以前ならできなかったデジタルリマスターによるいい音質をしっかり楽しめることになります。ただ、個人的にはTune Browserで聴いているので簡易にデジタルリマスターしているようなものなんですけどね・・・なぜなら、デジタルリマスターというのは言うなればプロの手によるリサンプリングなんですから。自分でリサンプリングするかプロの手に委ねるかの違いだけです。

ですがプロの手によるものが手に入ったわけですから、もうSACDを購入する必要はないということになります。どうせ私はSACDの音質で再生できる装置を持っていないわけですので、はなからCD音質、つまり44.1kHz/16bitの音質しか楽しめないんです。それを結局Tune Browserでリサンプリング再生するんですよ。ならハイレゾでということになります。

リマスターされたこの演奏を聴きますと、基本的にはロンドン交響楽団なのでしっかりとした演奏になっていますしどっしり系でも生命力ある演奏が楽しめます。ですが第1楽章ではジュリーニのタクトについていけてない部分がありアンサンブルが崩壊しかけます。プロオケでは非常に珍しいことが起こっています。理由は判りませんが、どこかオーケストラのほうが走っているように聴こえます。それをコンサートマスターボウイングで必死になだめているという構図が浮かび上がってきます。おそらくジュリーニはテンポを変えていないはずで、明らかにオーケストラが走ってしまっています。ジュリーニのタクトは常に情熱的な演奏を生み出すのでオーケストラの団員の一部が熱が入りすぎたのだと思います。

その意味でも、日本のアマチュアオーケストラのレベルはかなり高いと言えます。最近この演奏のようなことって滅多に出会いません。勿論プロならもっと出会いません。その点でも、すでに日本のアマチュアオーケストラのレベルは1960年代から70年代初めの欧州とさほど変わらなくなってきていると言えます。本当にもっと足を運んでほしい!

第1楽章以外は本当にどっしりとしたテンポでオーケストラが歌っており、雄弁な音楽を楽しめることができます。第4楽章もオーソドックスで、常に私が問題にするvor Gott!の部分もvor1拍に対しGott!は6拍で通常運行。最後がかなりテンポアップしているくらいでしょうか。合唱団の発音が多少首をかしげる部分があるのですが、これはドイツ語に慣れていないのかもしれません。合唱団はロンドン交響合唱団なので・・・ですが歌唱は素晴らしいです。ソリストもそれぞれ雄弁で、全体的には素晴らしい演奏だと言えます。

第九で言えば、この録音は第2楽章と第4楽章では楽章の中で細かくトラックが分けられています。ハイレゾなので問題はないんですが、ソニーXperiaでDSEE HXを動作させたままだとギャップが入ってしまうので要注意。正直ここまで分ける必要性は私はあまり感じませんが、アマチュアオーケストラなどの練習用として使えるようにということもあるのかもしれません。

第8番とエグモントはどっしりとしたテンポという印象が少なく感じます。決して速いテンポではないはずですが・・・ですが第九よりは速いテンポを採用していることは確かです。これは明らかにジュリーニが第8番までと第九とでは時代が違っていると判断している証拠だと思います。確かに2つの作品が成立する間には10年という時間の差がありますから・・・とはいっても、第九という作品を完全なるロマン派の作品と捉えるべきなのかは個人的には疑問で、このジュリーニの解釈には異を唱えますが、それでも説得力ある演奏をしてしまうのはさすがです。特にこの第8番とエグモントは第九以上に生命力を感じる演奏で、ジュリーニの卓越したスコアリーディングとタクトが味わえます。

その意味では、エグモントだけニュー・フィルハーモニア管弦楽団というのもニクイですね。オーケストラも違いますしまた録音のロケーションも異なるので残響も多少異なるのですが、ジュリーニの姿勢というものがぶれることがないことが聴き取れます。確かに第九という作品がクローズアップされがちですがこのアルバムは明らかにジュリーニの芸術を味わうアルバムだと言えます。ジュリーニの演奏がお好きな方は是非とも購入をお勧めします。

 


買ってきたハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」
交響曲第8番ヘ長調作品93
「エグモント」序曲作品84
シーラ・アームストロング(ソプラノ)
アンナ・レイノルズ(アルト)
ロバート・ティアー(テノール
ジョン・シャーリー=カーク(バス)
ロンドン交響合唱団
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ロンドン交響楽団
(Warer 5021732836274 flac192kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。