かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:マズアとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブルックナー交響曲全集1

東京の図書館から、今回から9回シリーズで府中市立図書館のライブラリであるクルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によるブルックナー交響曲全集を取り上げます。第1回の今回は交響曲第1番を収録したアルバムです。

ブルックナー交響曲は以前からとり上げてはいますが、全集を取り上げるのはおそらく初めてではないでしょうか。こういう全集ものは府中市立図書館の得意とするところ。

ただ、この全集には、ブルックナー交響曲のうち二つが抜けています。習作で現在ファンの中では真の第1番とも言われる交響曲短調、そして本来この第1番の次に作曲された交響曲第0番です。その意味では、ブルックナーファン入門編ともいえるかもしれません。

さて、第1番は作曲された時期にしてはかなり和声的に特徴的なものをもっている作品です。ブルックナーとしては40を過ぎた、脂が乗った時期に作曲していると言えますが、管制した1866年と言えば後期ロマン派。まだまだ和声的に絶対音楽な作品が多い時期。日本で言えば大政奉還の前年です。

そんな時代に、不協和音がいきなり第1楽章の第1主題で出てくるような作品を欠いているというわけです。この作品の後、ブルックナーはシンフォニストとして活動することになります。

ja.wikipedia.org

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そんな作品を、マズアはあまり重々しくは演奏させていません。むしろ音楽の三要素のうちの一つ、テンポを重視しているように思います。なのにブルックナー交響曲が特徴的に持つ重厚さはみじんも消えていないんです。

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は特徴的なサウンドを持つと言われはしますが、むしろテンポを重視した演奏であるように思います。ただ、オーケストラが持つサウンドが、色彩感を持たせていることは確かでしょう。そのことにより、過度に重々しい演奏にはならず、非常に筋肉質な演奏になっています。

その意味では、非常に楽しみな全集だと言えるでしょう。

 


聴いている音源
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第1番ハ短調リンツ版)
クルト・マズア指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

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