かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:シャブリエ ピアノ作品集2

東京の図書館から、2回シリーズで取り上げております、シャブリエのピアノ作品集の今回は第2回。第2集を取り上げます。

この第2集には、シャブリエが作曲家として生きていくと決めるきっかけになったワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」をモティーフにした作品「ミュンヘンの想い出」が収録されていますが、あまりワーグナーの影響は感じられません。おそらく、ワーグナーの和声の斬新さに感激したのであって、ワーグナーの世界観に感激したとは、作品を聴く限りにおいては感じられないからです。むしろフランス的な洒脱さのほうが前面に出ています。

また、後半には3つのワルツが収録されており、軽やかで楽し気。シャブリエの作品が持つ明るさも健在。ピアノは世界を表現すると言いますがまさにその通りの作品達です。

この第2集は前半がピアノ2台もしくは連弾、後半が1台による作品が収録されており、ピアニストも第1集から続くバルビゼだけでなくユボーも登場。音楽を演奏するとは楽しいことだ、という信念が楽し気な演奏からひしひしと伝わってきます。

所謂後期ロマン派が好きな方がいう「精神性」とはかけ離れているかもしれませんが、私にはひしひしと演奏者の魂が喜んでいるのが聴こえてくるのです。それは高い精神性以外の何物でもないのですが・・・・・

もちろん、人間は楽しいことだけを人生で経験するわけではないですが、それでも喜怒哀楽の「楽」であるわけで、その楽しいことを満喫するこは決して悪いことではありません。その楽しいことを精いっぱい楽しい!と表現することは心理学的には必要なことです。まさに心理学先進地域ヨーロッパの音楽であると言えるでしょう。

 


聴いている音源
エマニュエル・シャブリエ作曲
楽しい行進曲(4手のための)
おどけた行列(4手のための)
ミュンヘンの想い出(4手のための、ワーグナートリスタンとイゾルデ」によるクァドリール)
3つのロマンティックなワルツ(2台ピアノのための)
バレエの歌
ブリュノーの想い出
小さなワルツ
ワルツの組曲
奇想曲(モーリス・ル・ブーシェによる補筆版、1914年)
ピエール・バルビゼ(ピアノ)
ジャン・ユボー(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。