かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ミンクス「ドン・キホーテ」ナクソス盤

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はミンクスが作曲したバレエ「ドン・キホーテ」が収録されたアルバムをご紹介します。元音源はナクソスです。なので検索すればこの音源がかなりの確率でヒットするはずです。というより、おそらくCDではこの音源しかヒットしないような状況ではないかと思われます・・・・・

そんなこの演奏は2枚組なのですが、今回は一つとして取り上げます。何せ、そもそもこのバレエ、3幕8場の作品ですから・・・・・

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そもそもミンクスって誰よ?ドン・キホーテって、ドンキのことだよね?って言いたい人もいらっしゃるかと。ええ、実は綴りはあのドンキと一緒ですからね~。そもそも、私たちは愛称を込めてドンキって言ってますけど、そもそも正確な店名、社名は「ドン・キホーテ」で、このバレエ、そして原作になったセルバンテスの小説と本当に綴りは一緒です。

作曲したミンクスは知らなくても、おそらく第3幕の最終部分で踊られるコーダは、よく演奏されるのでご存じの方も多いのではないかと思います。かくいう私もその一人。では、折角全曲盤があるんだから聴いてみよう、と思って借りてきたのがこの音源だった、というわけです。

そのミンクス、意外にもこのドン・キホーテが上演されたボリショイ劇場ではなく、むしろライバルであり先行していたマリンスキー劇場のために多くの作品を書いた人でした。それが歴史に名を残すことになったのが、後塵を拝していたボリショイ劇場のために書かれたこの「ドン・キホーテ」だったのは皮肉です。

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ボリショイ劇場だけではなく、そもそもライバルだったマリインスキー劇場で上演されるように手直しされたことが、この作品をさらにワールドワイドな作品にした原因のように思われます。この演奏はそのペテルブルク版をもとに、さらにアレクサンドル・ゴルスキーが改訂した、プティバ・ゴルスキー版が採用されています。ただそれは、プティバの逆鱗に触れたみたいですが・・・・・

そう考えると、むしろ最初モスクワのボリショイ劇場で上演された版も気になるところです。バレエは踊りも芸術の一つなので、演奏だけで判断するのは危険なのですが、おそらく庶民的な作品に秘められたものこそ、ミンクスやプティが目指したものだったのかもしれません。とはいえ、現在ではだいぶ「希釈された」ものが演奏の基準になっているのは、歴史の波を経てこの作品が残ってきた原因だろうなと思います。

演奏するのは、ナイデン・トトロフ指揮ソフィア国立歌劇場管弦楽団。そう、ブルガリアのオケです。しかも、オペラオケ。そりゃあ、そもそもバレエ作品ですから、どんなオケが演奏することを念頭に作曲するかと言えば、歌劇場のオケです。この作品もボリショイ劇場のオケが初演しているわけで、それはそもそもがオペラを演奏するオケです。ですから、この選択はナイス・チョイス!しかも、残響も適度で、しかも躍動感ある生命力あふれる演奏!まさに喜劇を聴くにふさわしい演奏です。

だからこそ、よく聴くフレーズ以外知らなくても、こんなに楽しめる作品なのか!と目からうろこ。こういう演奏を聴きますと、まさに「舞台」が見たくなります。そう、実際のバレエが上演される形で、です。つまりは音だけではなく、動画で。となると、DVDが適切だとは思うのですが、何しろ私の部屋はもうCD棚いっぱいで、DVDを置けるスペースなどありゃしません・・・・・

ではどうするかと言えば、youtubeです。ところが、youtubeは音はmp3であるということ、知ってしましたか?となると、残念ながらPCでは高音質が現在実現できず、スマホからになります。例えばソニーXperiaなら、最低でもDSEE HX、最新機種なら、DSEE ultimateが搭載されており、これはスマホで聴く「音」ならすべてハイレゾ相当にしてくれるという優れもの。BCJが昨年無観客で演奏した「ヨハネ受難曲」や、鉄道系youtuberであるスーツさんが東急8500系に乗ったときのチョッパー制御モーター音など、本当に高音質で再生したのに驚きました。こういうバレエだと、現状はPCよりもスマホになるのかもしれません。ぜひともその点は動画配信サイトに工夫をしてほしいところです。

「新しい生活様式」と言いながらも、その点はまだまだ日本は不十分な気がします・・・・・スマホを持っている人は、youtubeに動画がアップされているようなので、ぜひともXperiaの方はDSEE HXもしくはultimateを作動させて、聴いてみてください。踊りと音楽の融合が、生命力をもって感じることができると思います。実は私もこの演奏、当然ですが音だけなので、ソニーのMusic center for PCでDSEE HXを動作させて聴いています。まるでこのロケーションである「文化宮殿」で聴いているかのようです。

 


聴いている音源
レオン・ミンクス作曲
バレエ音楽ドン・キホーテ
ナイデン・トトロフ指揮
ソフィア国立歌劇場管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。