かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団によるシューマン交響曲全集1

東京の図書館から、今回と次回の2回に渡りまして、小金井市立図書館のライブラリであるデイヴィッド・ジンマン指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏によるシューマン交響曲全集を取り上げます。

ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管と言えば、ベートーヴェン交響曲全集を新ベーレンライター原典版でいち早く収録したコンビで湯有名ですが、そのこともあり、結構このコンビに関しては信頼している感があります。そのために借りてきたという面があります。

シューマン交響曲はすでに全集を図書館で借りてリッピングしてあるのが一つ、そして幾つかの演奏を買ってあるので一つと言った感じだったところに、さらにこの全集が加わった形になっています。そしてこの加わったものが、実は異彩を放っていると言ってもいいように思います。

この全集が新ベーレンライター原典版のようなスコアを使っているかどうかまでは、すでに資料を返却してしまっているのでわかりませんが、アプローチとしてシューマン交響曲解釈に見られるような過度なロマンティシズムや内省的な部分が薄いのが特徴です。

特にその傾向が顕著なのがこの第1集で、第1番はとにかく突っ走る!のに、まるで饒舌な歌を聴いているかのよう。ですので、単にテンポが速いとだけ感じるのではなく、そこかしこにカンタービレを感じるのです。一方の第2番。ともすれば、ほかの演奏だとむしろ疾走する感じもある中でむしろどっしりと歌い上げるという感じになっています。

この二つのコントラストが見事で、シューマンという人が前期ロマン派という時代に生きた人だったのだなと感じさせてくれる演奏でもあります。第1番と第2番と、番号順に収録されていますが、実際の作曲は第1番は最初ですが第2番は第3番目。その意味では、ジンマンは実はステディな解釈に勤めていることも浮かび上がります。それが全く違和感ないですし、しかもフレッシュ。

それゆえに、ぜい肉がそぎ落とされて、輪郭がはっきりと浮かび上がり、シューマンが目指したであろうロマンティシズムが浮かび上がってくるかのようにすら感じられるのです。聴いていて実に魅力的ですし、聴けば聴くほど惹きつけられます。

もちろん、今まで持っている演奏がダメというわけではないんですが、個性的というわけではないのに存在感が半端ないんです。それだけに私の中では一つ抜きんでている演奏です。

こういった演奏が聴けることがプロを聴くすばらしさでもあります。それが、税金だけでいいなんて、なんと素晴らしいことか!皆さん、なのでぜひとも図書館の資料は大切に扱ってくださいね。

 


聴いている音源
ロベルト・シューマン作曲
交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
交響曲第2番ハ長調作品61
デイヴィッド・ジンマン指揮
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団

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