かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団によるハイドン交響曲全集8

今月のお買いもの、令和2年2月に購入したものをご紹介します。シリーズで買い求めている飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団によるハイドン・ツィクルスの第8集です。

この第8集は、二つ残念な点があります。一つは、解説がPDFで付いていないこと。まあ、聴くだけならそれでもいいですけれど、やはりブックレットはつけてほしいなあと思います。

そしてもう一つは、演奏面。この第8集は第60番「うっかり者」と第54番が収録されていますが、残念なのは第60番「うっかり者」のほう。全体的には素晴らしいアンサンブルですが、もう少し思い切りがよければよかったなあと思う点が、特に第2楽章に散見されます。

第60番の第2楽章は、まさに八兵衛よろしく「こりゃうっかりだ!」という楽章なわけです。ですが、そのうっかりぶりが生真面目で、それがまた笑えればいいんですが、いまいち笑えないwww

むしろ、そのあとの第4楽章以降のほうのうっかりぶりのほうが素晴らしい!なんでそれ、第2楽章でやらないかな~wwwww

その点では、まだまだ日本センチュリー、伸びしろありと見ました。

続く第54番。これが思い切りいい演奏で、快活で楽し気で、そして爽快。そうこれを待ってました!という感じです。第60番よりもずっと高評価です。豊潤でもありますし、本当に文句のつけようがありません。

それだけに、第60番でのおかしさ不足は残念なんですよねえ。あえてハイドン組曲的にして6楽章にした意味を、団員と指揮者が共有していたんだろうかって思うんです。徹底的にハイドンは笑かそうとしているんです。だからこそ、収録していて客席から笑いが漏れるくらいこそが、素晴らしい演奏なんです。第6楽章で飯森氏が咳こんだときに思わず客席から笑いが漏れているように。あれが全体的に収録されているくらいこそ素晴らしい演奏であるはずなんです。それが第60番の「魂」のはずですから。本当に残念。

新型コロナウイルス感染拡大が収まり、再び演奏活動が再開したときに、そのあたりが改善されていると嬉しいなあって思います。私もどこまで金あるかわかりませんが、一度はいずみホールへと足を運びたいって思っています。関西のオケは関西のファンだけを見るのではなく、東京から足を運んでもらうということもまた、生き残るために大切な視点だと思うのです。人口が大阪から吸い取られているのなら、逆にどうやったら東京へ行ってしまった人が大阪のオケを顧てもらえるだろうという視点でプログラムを組むこともまた、重要だと思うからです。

そういう意味では、この事態をきっかけに、ベルリン・フィルのようにデジタルチケットを販売し、その演奏会をハイレゾで配信するということもまた、重要だと思います。そのためには事務局がしっかりしていないといけません。その点においても、橋下改革はクラシック音楽、ひいては興行というものを何ら知らないずぶの素人の改革だったなあと思います。大フィルの団員たちの苦労がしのばれます。そんな経験を、日本センチュリーの事務局はさせてはなりません。せっかく配信はしているわけですから、ひと踏ん張りしてほしいところです。

そしてこの録音はハイレゾ。192kHzもありますがこれは今まで通り96kHz。でもそれで十分いい音で鳴っています。臨場感もいいですし、コンサートホールの空気も感じます。もちろん192のほうがさらにいいことはわかっていますが、ケーブルなどが追いついてない現状では、わたしは96でいいと思っています。例えばPCがUSB3.0になり、スマホmicroSDカードの容量が120Gくらいを積むようになれば、192は考えたいと思います。転送時間はかかるわ、スマホのストレージは食うわなので・・・・・ハイドンだけで埋めるわけにはやはり行かないので。

 


聴いているハイレゾ
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲
交響曲第60番ハ長調Hob.I-60「うっかり者」
交響曲第57番ト長調Hob.I-84
飯森範親指揮
日本センチュリー交響楽団
(Exton cvdl00697)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。